Pseudo romance (ページ25)

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#24 ページ25

テヒョンside

「……」

どうして、あの二人はまた一緒なんだろう。落ち着かなくて知らず知らず貧乏揺すりが止まらない。

散々撮影で見てきた二人なのに、いつまでも体は拒否して。皆のように明るく装う振りも出来なかった。

ただの偶然にしても、あのジョングガの喜びようは。不信感以外抱かないだろう。撮影中もましてや止まってる最中も親しげに見つめあって。他の皆と比べて距離が近いことに気付いてない二人。

でも(人1)は時折、距離を取ろうとしている素振りは見せていて。

女性共演者には特に注意を払って気を遣うものだとジョングガは知っているのに何年仕事してきた？自分の立場を優位に使ってるとしか思えない。

それとも俺が過剰になってるだけか。収録時、さらっと腕を組まれていたナンシーさんの腕を払った時、

一瞬でも(人1)と目が合った気がして。嬉しかった。

「……テヒョン、今晩の約束覚えてる？」

｢さぁ。どうでしょうか」

よりにもよって、俺がナンシーさんと一緒になったのも運命の悪戯だ。仕事中なのに如何わしいことを耳打ちしてきては、プライベートを強要してきたり、むやみやたらに胸を腕に押し付けてきたり。

カットがかかるまでの間、色んな欲求に耐えてなんとか仕事に集中していた俺は終わった途端、とんでもない疲労感に襲われた。

「お疲れ様です」

背後から聞こえた声に振り返ると、今世紀一番見たくないツーショット。

すぐさま視線を逸らして、何も知らないふりをしたけれど彼女の可愛い声は嫌でも俺に聞こえてくる。

韓国語、大分話せるようになったんだなって。そう思える反面、ジョングガのわざとらしいリアクション、遠回しに(人1)を口説こうとしている口ぶりにイライラした。しかも、この収録を通してか。

「(人1)、この後仕事？」

『ううん、』

前よりもうんと距離が縮まった証に、お互いを呼び捨てタメ語。

人見知りのジョングガが、二、三回あった異性とここまで打ち解けるようになったのにも驚いた。

弟の成長は喜ばしい。けれど、どこか怖さもある。