#15 ページ16
テヒョンside
「………はははっ、JK振られたねぇー」
「振られたの?俺」
「もっと俺みたいにあざとく行かないと!…ねぇテヒョン」
大きな仕事の締めくくり。皆でお酒を交わすのが、俺らのしきたりとなっているのだが。
今日の打ち上げはパーティーかのように人数が多く。居心地が悪いせいかジミンの受け答えにもため息で返事をした。
すると体調悪いの?と気にかけてくれる優しい友には悪いけど、俺は未だに心のモヤモヤが晴れないまま、お酒も喉を通らない。
「ヒョンはこのお酒だよね、」
「大丈夫!いらない。」
今のままだと悪酔いするだろう。それを、今か今かと向かい側から美女が待ち構えているが別の目的でいるのは彼女が例外ではないと思う。
疲れを癒したいなんて言い訳して。間違いを簡単に犯してしまうのは人間の本望だから。
だとしても、____
「ジョングガ一つ聞いてもいい?」
「……うん?何改まって。僕ヒョンになんかした?」
「いいや、そうじゃない。今日の撮影で……なんでキスしようとしたの?」
その欲は間違ってるよ、って俺が言える立場ではないが。演技ならなんでも許される、ジョングガはそんないい加減な建前を通してきそう。
それほど自分に酔ってる、(人1)を周りの女性のように取り込もうとしてるんだろ?
(人1)を見ていたこと知ってるよ。追いかけて行った姿も見ていた。
でも、俺はジョングガからどんな言葉を期待してるんだろう。俺さえも演技の範疇、触れようにも勇気がいったから
せめて、俺達が話し合って決めたんですって台本であったことを主張してほしい、のに。ジョングガは俺の質問に黙りこくって、怒ってないのに口調が強くなる気がした。
「……あーなんかまずい事聞いた?」
「いや、……その……あの時、俺演技だって分かってたのに。(人1)さんが可愛くて、愛おしくなって。…キスしたくなっちゃったんです。」
「……じゃあ、突発的だったんだ?」
「……はい。」
それから(人1)の涙が綺麗だったんだ、と言い訳がましく付け足したジョングガは仕事の域を超えて、個人的な感情で突っ走ったこと対する申し訳なさがないように思った。
その意識のなさを注意するつもりでいたのに。俺がクシャミしなかったら。あの二人は撮影関係なく口付けをかわしていた。その妄想が俺の心を蝕んでいる。
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作者名:chay | 作成日時:2021年11月25日 5時