Pseudo romance (ページ15)

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あれから数時間後、止まっていた全体の撮影も終わり無事にクランクアップ。終わったのは夜の19時を回っていた。

見せかけの馴れ合いで、中々帰ろうとしない軍団をくぐり抜け。そそくさと控え室へと急いだ私は嬉しくて堪らないんだろう。

スキップなんてしちゃって。

更にはこの後マネージャーと約束していた、お酒だ。やっとこのストレスから解放されるし、羽目を外して飲んでしまおうかなーなんて。

「何その笑顔、気持ち悪い」

『んふふ、何とでも言えばー。』

マネージャーを急かして仕事場を後にする、その時。ぽんぽんと肩を叩かれて。

「今日はありがとうございました。」

『？、ああ。ジョン、……「((ｺｿｯ))ジョングク」.......、こちらこそありがとうございました』

機嫌のいい私は、あまり邪険にはしなかったが。何故彼が、と頭で疑問符がいっぱい。しかも、まだ衣装のまま、額の汗。わざわざ私を追ってきた？と考えたくもないことが頭を過ったが、

こんな愛想がいいなんて、

何を企んでるんだろう。

「.......あの、(人1)さんの演技凄くて、あの兎に角、驚きました！もし僕の演技が気に触ったらどうしようって今になって不安になっちゃったんですけど、(人1)さんと一緒に仕事できて僕ほんっとラッキーでした」

『.......？』

「あー、ごめんねジョングクくん。この子まだ韓国語理解できてないから。でも伝えとくね、ありがとう」

表情や声の抑揚で、理解できるなんて言っていた出発前の私。＿＿＿＿全くわからん。

取り敢えず不気味なほど笑顔だったから、笑ってはみたが。

「あ、それと。今から皆で打ち上げするんですけど、(人1)さんも来ませんか？他の女性達も皆いらっしゃるんですけど」

「.......悪いけどこれから(人1)は別の仕事があって、わざわざ誘ってもらって申し訳ないけど皆さんによろしくお伝えしといてね」

「.......わかりました。それでは」

会話が分からないけど、大した内容ではなかったんだろう。その後マネージャーもそのことについて一切触れてこないし。

でも彼の後ろ姿を眺めていると、不思議とまた会えるんじゃないかって思ってしまった。