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side 羽生結弦
「うん。うん。手術はあるけど命にかかわる病気とかではないから」
『よかった〜』
電話口から昌磨の安心した声が漏れる。
なんだかんだ、可愛い奴だ。
「じゃあね。切るよ」
『うん。お大事に』
通話を切るとベットの横に座っている、葉月に携帯を返した。
ニュースを聞き付けたのか何度も葉月の携帯に着信があったらしい。
「悪いな。こんなところに呼び寄せて。しかも夜だし」
葉月には悪いが、結局入院している病院に来てもらうことになってしまった。
葉月は精一杯の笑顔でかぶりをふった。
「そんなことより大丈夫？」
みーの目はいつになく不安げだった。
「死ぬってわけじゃないから。心配ないよ」
腹痛は治まらないが、原因さえわかっていれば大きな不安はない。
「で、本題、入ってもいい？」
葉月はバカじゃない。なんの話かは検討はついているはずだ。
「こういう話はどうしても早めにしたかった」
葉月は小さく頷いた。
やはり口ごもってしまう。
こんな話をつらつらとできるほど俺は図太くない。
でも、これ以上あやふやな立ち位置は御免だ。
「別れよう」
葉月はその言葉に苦笑いを浮かべた。
怒りだしたりはしないだろうとは思っていたけど、冷静な葉月の対応に少しほっとしてしまう。
「だよ…ね。わかっ…」
最後の声は掠れて聞こえなかった。
その代わりに葉月の真ん中に置いた手に一粒二粒と水滴が落ちた。
葉月は顔を上げた。
その顔はやはり目が潤んでいた。
しかし、いつもの葉月とは違って少しきつい顔していた。
「いやだ」
耳を疑う。
そんな言葉が葉月から飛び出すなんて思いもしなかった。
「え？」
葉月の目から大粒の涙が溢れ出す。
「いやだ！」
葉月のこんな金切り声にも似た声聞いたことがない。
「でも、このまま付き合っててなんのためになる？誰のためにもならないだろ。葉月だって好きでいてくれもしない男と付き合っててなんになる？」
葉月はとうとう椅子から立ち上がっていた。
「え…偉そうなこと言わないでよ」
俺たちは喧嘩なんかも一切しなかった。
葉月はなんでも笑って許してくれた。
その葉月がこんなに怒るだなんて想像もしなかった。
「結局はみーちゃんと幸せになりたいだけでしょ？私は結弦にとって都合の良い女なの？私はいくら泣かせてもいいんだ？結弦が幸せならそれでいいんだ？」
図星かもしれないけど、葉月がどうなってもいいなんて思ってない。
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らっき(プロフ) - 完結されてからかなり経ってしまっていますが、読ませていただいてすごく好きな作品になりました。書いて下さってありがとうございます！それだけ伝えたくてコメントしました(*^^*)見てくださるといいなぁ、なんて思ってます！ (2021年12月7日 22時) (
レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - 大変お久しぶりです。最後まで読ませて頂きました。ぜひとも、時間があるときで構いません。名前を自分の名前に変換したものを読みたいので、よろしくお願いします。 (2018年9月2日 8時) (レス) id: 058ee396c0 (このIDを非表示/違反報告)
納子(プロフ) - yuccoちゃんさん» ほんとうに読んでいただきありがとうございました！ (2018年4月9日 9時) (レス) id: 21906f0f83 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - こんばんは！ゆづのドSなセリフにトキメキました！言われたい！サイコーの終わりでした！番外編で続きも読みたいです！ (2018年4月8日 1時) (レス) id: 72d5e5baf7 (このIDを非表示/違反報告)
納子(プロフ) - 鹿さん» いつも丁寧なコメントをありがとうございます。読んでいただけてほんとうに嬉しいです (2018年3月29日 20時) (レス) id: 21906f0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：納子 | 作成日時：2017年9月7日 21時
