こっち向いて、月島くん。【短編集】

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マネの仕事の大変さを経験してみろばーか、


なんて月島くんには口が裂けても言えないけど、


「最初よりはマシになったもんね！」と


心ばかりの反撃をし、ドリンク作りに励んでいた。









「…ショートケーキ、好きなんだ…



恐竜、とか…かわいいとこあんじゃん」








こんな時でも、月島くんのことが

頭から離れないのは






私が恋をしてしまったから。









最初は、潔子先輩がマネの跡継ぎが欲しい、と


部活動紹介で言っていたのをきっかけに


マネージャーとして入部した。





最初は慣れないことばかりで失敗しても、


1年生も先輩も、みんな優しくカバーしてくれた。





でも月島くんはずーっと、私に嫌味ばっかり。




でもそれが、私の闘争心に火をつけた。




「今日こそ月島くんに褒められてやる！」と



気合を入れて部活に行くうちに、



月島くんを目で追っている自分に気が付いた。






かっこよくて、頭も良くて、スポーツもできる。





そりゃ、好きになる女子は多い。



だから、ちょっと不純かもしれないけど、



マネージャーで良かったなぁ、と思うことも度々。









「誕生日、プレゼント渡してみようかな」









何言われるか分からないし、ちょっと怖いけど、





やらないと始まらないしね。









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「…あっ！ドリンク作ってたんだった！！」









結局、今日も月島くんに褒められることは



ありませんでした…。





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