こっち向いて、月島くん。【短編集】

想 / 月西様リク ページ31

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◎夢主◎
烏野高校2年 / 男バレマネ / 彼女

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「ねぇ 蛍くん、帰りくらいしゃべってよ〜」







冬の寒さが猛威を振るいだした



二学期の期末考査前、



放課後の教室でバレー部数名で勉強会をした後



彼氏の蛍くんが「暗いから家まで送ります」と



彼女としては嬉しいことを言ってくれた。








でも言った当の本人はというと、



ヘッドホンをしっかりと耳にはめて、



こちらの話など聞いていない。









「ヘッドホン没収！」









ならばこちらも強行突破にでてやる！と



ヘッドホンを無理やり外させる。









「ちょっ、寒いんですけど…」




「送るって言ったのは蛍くんじゃん！

ちょっとくらいお話しようよ」




「僕 次のテスト頑張らないといけないので」









よく聴くと、ヘッドホンから英単語が流れている。









「…なので、返してください」




「あっ…！」









気を抜いた私の手から、



するりとヘッドホンを取り上げる。








その姿に遠慮などはなく、先程と同じように




ヘッドホンを耳にあて、ポケットに手を入れ




前だけを見ている。








む、と顔をしかめても、蛍くんは気付かない。









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「…！あぶな ＿＿＿ 」









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＿＿＿＿ その気配にも。









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