ぶりっ子 １０８ ページ21
＊
しのぶさんが登場したことにより冷や汗が出てくる。何か言うべきなのだろうけど、焦りと気まずさが胸の中でごちゃ混ぜになって結局言葉を紡ぐことが出来なかった。
何も言わずにしのぶさんの顔を見つめ続けていると、しのぶさんがそれはそれは綺麗な顔で微笑んだ。
別に庇ったわけじゃねえから勘違いすんなよクソ女ってことだろうか。いや別に泣いてないけど。(涙目)
｢応急処置に思ったよりも時間がかかってしまいまして…申し訳ないです。お館様にもこのことはお伝えしておきましたので、もうじきいらっしゃいますよ｣
2度3度、しのぶさんが手を叩くと後ろから隠の人が現れた。その背には炭治郎がいて、気を失っているように見える。隠の人がいくら揺さぶっても、その瞼は閉ざされたままで、起きる気配がない。
……それも仕方ないのか。
十中八九、那田蜘蛛山での死闘の疲れがまだ取れていないのだろう。なんとなく負い目を感じながら炭治郎を見つめていると、炭治郎の瞼が少し震えた。
｢う、？……っA！！？｣
『た、炭治郎っ！！』
目を覚ましたらしい炭治郎は数度瞬きすると、こちらへ視線をよこした。縛られたまま地面に転がされている私を認識して一気に覚醒したのか、忙しなく視線を巡らせる。
｢柱の前だ！｣と隠に注意されているが、『柱』の意味を知らない炭治郎にとっては疑問が募るばかり。起き上がろうと必死に身体を動かしているが、隠に抑えられてしまっている。
すると、それまで静かに見ていたしのぶさんが口を開いた。
｢ここは鬼殺隊本部です。あなたはそこの少女と共に裁判を受けるのですよ、竈門炭治郎くん｣
これでもかと目を大きく開く炭治郎が、確認するかのようにこちらへと視線を向ける。コクリと頷いて見せれば炭治郎は焦ったようにあたりを見回し始めた。
…でも大丈夫。原作通りに行けば禰豆子ちゃんは＿＿((｢裁判の必要などないだろう！！｣
大きな声がすぐ側で響いて耳がキーンとする。
その地味な痛みに歯を噛み締め、そちらを見る。
｢鬼を庇うなど明らかな隊率違反！我らのみで対処可能！鬼もろとも斬首する！！｣
｢ならば俺が派手に首を切ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ｣
＿＿＿本当に、助かるんだよね？禰豆子ちゃん。
殺意を剥き出しにする柱たちに恐怖と不安の念を覚えながらも、万が一の事があれば絶対に、何があっても禰豆子ちゃんを守ろうと密かに誓った。
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くまもん - 最高です。ドタイプな作品です。更新お願いします！ (2月29日 15時) (
レス) @page27 id: 888b8ee33d (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 更新待ってますね！ゆっくりでいいので！ (1月7日 18時) (レス) @page27 id: 4e402dc10b (このIDを非表示/違反報告)
とく(プロフ) - 続きが気になります！更新待ってます！！ (7月21日 22時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
るる - 天才過ぎませんか????更新待ってます!!!!! (7月15日 23時) (レス) @page27 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
阿部葵(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新待ってます！ (7月12日 10時) (レス) @page27 id: c05e48fdcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々 | 作成日時：2020年11月15日 22時
