ぶりっ子 103 ページ16
*
急な襲撃に、新たな鬼かと考え腕の中の2人をさらに引き寄せる。Aと禰豆子に、苦しいかもしれないが少しだけ耐えてくれよと心の中で謝りながら周囲に注意を払う。
…鬼の匂いは、しない。
かわりに、藤の花の香りが鼻腔いっぱいに広がった。
誰かが着地した方向に目をやれば、綺麗な女の人が手に変わった形の日輪刀を持って立っていた。
「鬼とは仲良く出来ないって言ってた癖に、何なんでしょうか。そんなだから、みんなに嫌われるんですよ。ねえ、冨岡さ_」
「(…?、なんだ?)」
不自然なところで言葉を区切る彼女。その目は見開かれていて、一点をじっと見つめていた。
その視線が注がれているのは____A?
Aからは少しの畏怖と動揺、激しい不安をごちゃ混ぜにしたような匂いがした。それに気を取られたのもあっという間で、かき消すような勢いで広がっていったのは
_紫の蝶の、激しい怒りの匂いだった。
もしかして、二人は知り合いなのか?
雰囲気も似てるし、顔立ちも似てる。まさか…血縁関係?
この考えをほぼ確信に近づけたのは、2人が着けている色違いの髪飾りだった。同時に、あることにも気づく。
Aから善逸と一緒に修行したことや最終選別でのことなどは聞いた。でも、それ以前は?その前の話…家族の話や友達の話とか、何も聞いたことがないじゃないか。
最終戦別の時になぜAが自分だけの刀を持っていたのかも、今Aがどうして苦しそうな顔をしているのかも分からない。……仲間、なのに。
「(俺は、__Aの事を何も知らない)」
_____
「…………冨岡さんよりも、もっと嫌われている人がここにいましたね。冨岡さんだってその子の近くにいたくないでしょう?とっとと離れてくれますかね?」
「……俺は嫌われてない」
「あぁそれ……すみません、嫌われている自覚がなかったんですね。余計なことを言ってしまって申し訳ないです。…で、早く離れてくださいます?いい加減邪魔ですよ」
明らかに怒ってるなあ、だってアニメの時より言葉に刺があるもの。俺は嫌われてないっていう有名なセリフ、生で聞けたのに嬉しくない。100%私の精神状態のせいだろうが。
嫌われている宣言の後に、さらに追い打ちをかけられた冨岡さんの背中が哀愁をおび始めた。
炭治郎も心配そうに__、ん?何でこっちみてんの??あっちだよあっち!なんでそんな悲しげな顔してんの??
…もしかして傷が痛むのか!?(違う)
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くまもん - 最高です。ドタイプな作品です。更新お願いします! (2月29日 15時) (レス) @page27 id: 888b8ee33d (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 更新待ってますね!ゆっくりでいいので! (1月7日 18時) (レス) @page27 id: 4e402dc10b (このIDを非表示/違反報告)
とく(プロフ) - 続きが気になります!更新待ってます!! (7月21日 22時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
るる - 天才過ぎませんか????更新待ってます!!!!! (7月15日 23時) (レス) @page27 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
阿部葵(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新待ってます! (7月12日 10時) (レス) @page27 id: c05e48fdcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々 | 作成日時:2020年11月15日 22時