ぶりっ子、前世を思い出す【鬼滅の刃】

ぶりっ子 ３４ ページ36

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そして再び始まる逃走中。

私たちが挑戦者だとすると、あっちはさしずめハンターか。まあ体真っ黒だしあとはサングラスかければいい感じに……。いや、最低でも二足歩行はしないとダメか。(？)

……いや、呑気にそんなこと考えてる場合じゃねえな！！！

足場の悪い森の中を駆けていく。
しかも善逸くんに手を引っ張られながら。

いや雷の呼吸の遣い手だからわかってたけどさ！？
足速いなお前！！！？着いてくのやっとだよ！！

必死で足を動かしていると、急に善逸くんが｢危ないっ！！！｣と私を抱きしめた。
善逸くんがうっ、と呻くような声をあげる。

どうやら追いかけっこにしびれを切らした鬼が木を蹴ってこちらに飛んできたらしい。


『ちょっと待って、善逸くん！！血が』

｢ッAちゃん！！！｣

『えっ』


鬼の爪が引っかかったらしい善逸くんの肩に手を伸ばすと、その手をガシッと掴まれる。

そして一言。｢このまま逃げて｣と。

…………………………は？

理解出来ていないうちに、後ろの方へ投げ飛ばされる。すかさず受身をとったので痛くはなかったが……。逃げろって、どういう事？？


｢俺が見つかったのが悪いんだ、そこの責任は俺が取るよ。……Aちゃんはここから走ってじいちゃんを呼んできて。それまで耐えるから｣

『……はっ？？何言ってんの？？？』


あんなに怖がってたくせに、何言ってるんだよお前。

足だって、すっごい震えてるじゃん。
本当は怖いんでしょ？鬼となんか戦いたくないって、鬼殺隊に入りたくないって毎日のように言ってたくせに。


｢Aちゃん、行って！！！｣


＿＿＿＿＿＿私は、本当に逃げていいの？？

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