ぶりっ子 28 ページ30
*
善逸 Side
『あとさ、善逸が弱いのなんて今に始まった事じゃなくない?』
「………うん?」
『確かに師範に迷惑もたっくさ〜んかけてるけど』
「ウグッ」
……アレッ!?
Aちゃん俺を慰めに来てくれたんじゃなかったっけ!!?俺、なんで貶されてるんだろう……。
目の前の彼女をぼーっと見詰めていると、『でもさ』と彼女が立ち上がる。
『弱いからこそ伸びしろがあるんじゃん。
少なくとも、善逸くんはまだまだ強くなると思うし。だからこそ師範も善逸くんの事弟子にしたんじゃない?』
「……Aちゃん」
『まあ流石に木に登って喚き散らすのはどうかと思うけどね!!!』
「Aちゃんッ!!!」
その事に関してはぐうの音も出ない。
咄嗟に心臓を抑える。
……思い返せば俺、Aちゃんとじいちゃんに迷惑しかかけてないな。……じいちゃん、許してくれるかな〜……。
『まあまあ、師範にボコられた時はこの私が慰めてやんよ』
「えっ……、慰めるってどこまでいいですか!!!?」
『……』
「ヤダなにその目ッ!!刺さる!!心に刺さるッ!!」
虫でも見るような視線を向けてくるAちゃんに縋り着けば、その視線はさらに冷たくなる。
『でもね、こんな夜に自主練するのはやめなよ』
「……え?」
途端に落ち着いた声色で話すAちゃんに目を奪われる。
月明かりに照らされる彼女は、何とも言えない儚げな雰囲気を醸し出していた。
Aちゃんからはいつも儚い音がする。
元気な音、その奥の優しい音、そのもっと奥には儚くて少し悲しい音がする。
Aちゃんは、ここに来るまで悲しいことがあったのかな。いつか聞けたらいいんだけど。
『寝不足はお肌の大敵だぞ、少年!』
「あ、そこ??」
やっぱりいつもと変わらないAちゃんに、少し安心感が積もった。
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菜々(プロフ) - 桜咲氷雨さん» ありがとうございます、お楽しみにしててください!!! (2020年2月18日 18時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲氷雨 - 成る程、そうだったんですね!獪岳は最推しなので登場する時を心待にしていますね。 (2020年2月18日 18時) (レス) id: e8605f2b60 (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - 桜咲氷雨さん» 獪岳は、もう鬼殺隊に入っている、という設定になってます...!獪岳は私も好きなので、これからの物語に出せたらいいなと思ってます!! (2020年2月18日 17時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲氷雨 - いつも楽しみにしているんですが一つ御聞きしたい事が、あります。あの獪岳は登場しないんですか? (2020年2月18日 17時) (レス) id: e8605f2b60 (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます!一日の楽しみにして下さっているんですか!!?何たる幸せ...。続編なんてパパっと作っちゃいますよ!!お楽しみにッ!! (2020年2月15日 23時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々 | 作成日時:2020年1月23日 17時