1話 ページ1
いったあ!…誰こんなところにファイルの山置いたの。ここどう考えても通路でしょ。
今思えば、鬼怒田さんに資料室へ資料を持って行けと言われたのが運の尽きだった気がする。
資料室についた私は積まれたファイルを避けようとして、ファイルが陳列された棚に足を引っ掛け見事にぶっ倒れた。
私が持ってきたファイルと積まれていたファイルがホコリと一生にダンシング。…なんて言ってる場合じゃないな。
腰をさすりながら立ち上がる。
ズキッ
…立ち上がれなかった。
え?
いやぎっくり腰じゃない。痛いのは左足だ。動かそうとするとありえないぐらいの激痛が走った。
足が動かせないという事は、足首か。
少し指で押して見ると案の定痛い。
『ど、どうしよ…?』
取り敢えず手で集められる範囲に散らばったファイルを集める。
すぐにラボに戻るつもりだったから、スマホもトリガーも全部置いてきてしまった。
『らっ雷蔵さん…!気づいて…!』
なぜか雷蔵さんを呼んでいる。
ここで鬼怒田さんの名前が出てこないあたり私の尊敬しているかどうかが丸分かりだ。ごめんなさい鬼怒田さん。ぶっちゃけ雷蔵さんの方が尊敬してる。
いやここは迅さんが軽く予知して助けに来てはくれないだろうか。
それかカゲでもいい。かげかげかげかげかげ
10分程カゲの事を考えていたがカゲはやって来なかった。…うっそお。
今何時ぐらいだろう。ここに来てそんなに時間は経ってないと思うけど…
ここは来ようと思わなかったら場所の存在にも気づかない。それぐらいヘンピなところに資料室はある。見回りなんてあってないようなものだし…
もしかして今日ここで夜を明かすことに…?
『いっ嫌!それは嫌!』
流石にこんなホコリ臭いところで寝るなんて神経は持ち合わせていない。
「だっ誰か居ませんかー?」
必死に扉の外に向かって叫ぶ。
「………」
やっぱり返事は帰ってこない。
ここの部屋もそうだがここの階は全体的に資料室のような感じになっていて一々ファイリングされた資料を取りに来る人は少ない。
この前端末も試供されたし。余計に立ち寄る人は減った。
『んっ!?げ、ゲホッ』
ホコリが喉に入ってきて咽る。
『ゲホッゲホゲホッ』
連続して出る咳に涙がにじむ。
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なや - 隠岐君!男前で、かっこいいです。 (2022年3月31日 12時) (レス) @page8 id: 8cf2aca477 (このIDを非表示/違反報告)
なや - 隠岐君!男前で、かっこいいです。 (2022年3月31日 12時) (レス) @page8 id: 8cf2aca477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結心 | 作成日時:2019年7月6日 6時