買われました【d!】 (ページ10)

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誤断ページ10

「あいつ、遅いな」

最悪の事態が頭に浮かぶ。

イヤイヤイヤイヤ、駒は別として、アイツはゴキブリ並みの生命力を兼ね備えている訳で……

先程から脳裏によぎる考えを無視して、半ば強引に結論付ける。

「……マジで大丈夫よな？」

冷や汗が額を伝う。
今回のクエストはそこまで難しいモノではない。どちらかと言うと、駆け出し者達が受ける依頼であり、比較的簡単なものだ。

同じ場所で募集されていたもう一つの依頼を除けば、の話だが。

しかし、あんな成りでもこの国の幹部である鬱がこう簡単にくたばるとは考えずらい。
この事を言ったら絶対にアイツは行かないだろうと踏んで、敢えて伝えなかったが、それが裏目に出たのだろうか。

"災害獣、目撃相次ぐ。至急対策願う。"と書かれた紙を眺めた。

そんな悩むコネシマの元に、吉報がもたらされた。

「鬱様がお帰りになられました!」

その言葉の後に、大きな扉が開かれる。

コネシマは安堵から溜め息をつくと、笑みを浮かべて扉へと顔を向けた。

直後、その光景に表情をひきつらせた。

「だ、大先生……?」

「はぁい、シッマ。洞窟にモンスター以外にもやべぇヤツが居たけど倒してきてやったで、感謝せぇよ。」

「あ、ああ、ご苦労やった………って、ちゃうやろ!!それより何やお前!!??」

なんで女に横抱きされとるん!?

鬱はにこりと心底嬉しそうにAの首に手を回していた。