あなたと居た時間６ (ページ13)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:14,166 hit

13 ページ13

隆弘side

全然戻って来ない。

まだ、泣いてんのかな…。

下に降りてﾘﾋﾞﾝｸﾞの扉を開けると

ﾋｸﾋｸ…ｩｩｯ…。

やっぱり。。

おぼんの上にはｶﾌｪｵﾚの湯気が揺れていてお皿にﾌｫｰｸとﾅｲﾌが準備してあるのに…

台所の影に体育座りして声を漏らさない様に泣いていた。

「美優。遅いから迎えに来た。」

ﾋﾞｸｯ。と肩を揺らし振り返った。

「部屋戻ろう。お母さん心配するよ。」

小さく頷く美優を連れておぼんを抱えて部屋へ戻った。

「美優。１人で泣かないで、俺が居るでしょ？」

「ごめんね。受け取って貰えなかったらとか、色々考えちゃって、なのに隆ｸﾝ優しいから…」

こんな時しか言わない美優の本音。

「優しいんじゃないよ。俺がしたくてしてるの。解る？」

ﾌﾙﾌﾙって首ん振って情けない顔をしてる

「俺の自己満だから、美優が泣く事なんて１つもない。
それに、美優の受け取らないなんてあり得ないだろ？
私の彼氏モテモテくらいに思ってろ！」

いつも不安でいっぱいで自信も持てない事解ってるから、俺が俺に出来る事をしただけ…。

「ふふ。」

急に、泣きながら笑う美優。

「何笑ってんの？」

「私の彼氏モテモテって。。。」

「そうだよ。そんな俺に溺愛されてるんだからな！」

「溺愛されてるの？」

「されてるね。」

「そうなんだ…。じゃぁ泣いてちゃ駄目だね！
次からそう思う事にする。隆ｸﾝモテモテだもんね(笑)」

「そうそう(笑)」

半年以上一緒に居るのに。

もっと貪欲で我が儘になってくれたらって

まぁ美優には無理だろうな…。

俺には嬉しいﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝでも美優にはいい思い出とは言えないかも…。

泣かせないって思ってたのにまた泣かせて…。

俺の考えは間違ってたのか…

何も知らない方が楽なのかな？

でも、俺だったらどんな事でも知りたい。

何も知らないままなのは嫌で仕方ないよ。