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美優side
突然鳴り出した電話は隆ｸﾝで、びっくりしたのと出なきゃって思いから慌てて泣き止む努力をした。
「もしもし。」
「もう家付いた？」
「隆ｸﾝ。今日はお疲れ様、まだ帰ってる最中だよ。」
「何で？」
「電車凄い混んでで中々乗れなかったの。」
「そうなんだ。」
「今どこ？」
「もぅ。家に付くから心配しないで…。」
「どこよ？」
「バス降りて歩いてるとこだよ。」
小さな嘘を付いてしまった。。。
本当はまだ、電車にすら乗ってない…。
「随分時間掛かったんだな…てか、声変じゃないか？」
泣いてたのがバレたらどうしよう。
そんな思いから、咄嗟に゛そう？騒ぎすぎたかな？゛ってまた嘘を重ねて。
「騒いだの？」
「うん。たかｸーﾝって、聞こえなかった？(笑)」
何て誤魔化して…
察しが良いから気付いたらってドキドキしながら話しを変える
「ステージでね。ｷﾗｷﾗしてる隆弘が凄く格好良くて、たくさんのファンの人が居て…歓声と…それに泣いてる子も。。。」
「うん。」
「凄いなって。素敵だなって、隆弘の夢の始まりだって嬉しくて嬉しくて……感動しちゃった。」
「感動するとこあったか？」
「たくさんあったよ。」
「何処よ？」
「あのね。先ずは登場した所でしょ。」
「登場からかよ(笑)」
「だって…隆ｸﾝの夢の始まりだよ！
感動するよ〜！」
「いや、いや。そこー？」
「あとね、歌声聞いた時には鳥肌たったし…」
「そんな大袈裟だろ(笑)どっかのアイドルじゃ無いんだからさ。」
その後もほんとに格好いいと思った事や素敵だなって、感じた事を拙い言葉で伝えて…
隆ｸﾝはずっと笑ってて、凄く機嫌が良かった。
あんまり長くなると怪しまれるから、家に着いたって伝えて電話を切った。
もう、かなり遅い時間。
隆弘が楽しかったなら良かった…
よし、私も頑張らなきゃ。。。
自分に気合いを入れて
平気、平気！
自分を励ます呪文を唱えて…
家までの道を急いだ。
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作者名：ayu | 作成日時：2019年1月29日 22時
