世界の片隅で僕らは出会う。 (ページ2)

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やっと反応してくれたと思うと、こちらを見て口を尖らせている。

なによ。
彼女をほっといたのは貴方なのに。

『だって、斎藤さん.....、』

「だって...何？」

斎藤さんの顔がぐん、と近くなり、顔が熱くなるのを感じる。
そんな至近距離で見つめられたら、心臓の動きも早くなってしまう。

聞こえていないだろうか。

「言ってくれないと斎藤さんわかんないよ？」

そう言っていたずらっ子のような顔を貼り付けた斎藤さんに、あぁこの人わかってやってるんだなぁ。と確信。

ずるい。この人はいつもこうだ。

『かまってくれないから寂しいんです...、』
恥ずかしながらもそう言って、やっと斎藤さんから目線を下げる。

斎藤さんがギターを置く音が聞こえて、同時に「こっちおいで。」と声が聞こえた。

顔を上げると、斎藤さんは手を広げていて、近づくと斎藤さんの手が背中に回ってくる。
優しい香りに包まれて、私も斎藤さんの背中に手を回す。

「かまってほしかったんだ？」

『...斎藤さん、分かっててやってたでしょ。』

私から離れた斎藤さんはわざとらしく、

「...さぁ？」
と首を傾げた。

【わざとらしく首を傾げた】

(ていうか俺ずっと待ってたんだけど)
(...ほら、分かっててやってる。)