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20話 ページ22

艦載機に当たらなくとも敵空母に当てればいいのだ。
空母を沈めることができれば艦載機は母艦を失い、弾薬や魚雷の補充ができず為す術がなくなる。
そうとなれば、まず空母を見つけなければならない為私は目を凝らし水平線を眺入る。
慢ずる事ではないが視力は比較的良い方で、しょっちゅう菊さんに褒められていたくらいだ。
だがしかし、空母に搭乗していた戦友によると空母は敵艦から10厠イ譴疹貊蠅砲い襪噺世ο辰鯤垢い燭海箸ある私は、流石に前線で戦わず艦載機を発艦させる空母を見つけることができないと思い、持ち場の友人に断りをいれ上官の元まで行き、双眼鏡を拝借し先程肉眼で見た時のように覗いた。

「なに…あれ…」

瞳に映し出された光景に目を疑った。
空母が11隻も隊列を組んでいるではないか。
空母が艦隊に編成されているだけで、勝敗が左右されるかは水兵にも分かる。
航空戦力の重要さはマリアナ沖海戦で証明されている。
現段階での日本軍の戦力は戦艦1隻に軽巡洋艦1隻、そして駆逐艦8隻だ。
一方アメリカ軍は私が視認した軍艦だけでも空母11隻、戦艦6隻、巡洋艦11隻に駆逐艦30隻以上もいる。
圧倒的な戦力差がある以上これはもう勝ち目がないと断言せざるを得ないだろう。

私達軍人が今まで自分の命に代えてまで守ってきた祖国は、大本営は一体何がしたいのだろうか。
ミッドウェー海戦で空母が四隻(南雲機動部隊)沈んでから、日米間で行われてきた海戦は負け続きで日本海軍最後の戦力も今ここで終わろうとしている。
私達陸海軍の下級兵士はただの捨て駒に過ぎないのだろうか。御國の為にを心に日々頑張ってきたことは無駄だったのだろうか。
目前で沈んでいった駆逐艦電が脳裏によぎる。あの場にいた彼らはいつ潜水艦により沈められるか分からない状況で日本の為に資材を輸送していたのだ。
それなのに自分達は安全圏から指揮し作戦失敗すると非難される。
軍部のやり方に苛立ちを感じ、私の人生はここまでだということに悲しみを覚え思わず涙が溢れ出そうになるのを唇を嚙むことで抑えながら、上官に礼を言い持ち場へと急いだ。

「持ち場を離れて申し訳ない、戦況の変化はある?」

「残念だが、日本軍が不利な状況だ。だが我々は負けない。何て言ったって大和は不沈艦であり、山をも貫通する45口径46cm3連装砲塔があるんだ。大和に敵う軍艦はいないさ」

嗚呼、この世界は何と残酷なのだろうか。

神様仏様どうか…彼らをお救い下さい。

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фата*(プロフ) - エリア51さん» コメントありがとうございます。少しばかりマニアックではないかと不安でしたが、その様なコメントを頂き嬉しいと共に安心致しました。更新頑張りますので、物語の終わりまで暫しお付き合い下されば光栄です。 (2017年1月23日 6時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 10話や11話がとても細かく書き込まれていて、艦が好きな私はのめり込んでしまいました。とても素敵ですね。ご活躍応援しております。 (2017年1月22日 22時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 菊桜さん» 読んで下さり本当にありがとうございます!更新頑張りますね! (2016年6月2日 13時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
菊桜 - とても言葉が綺麗だなぁと思いました。凄いですね、お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。応援しています。 (2016年6月2日 6時) (レス) id: a6eb43f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2016年6月2日 4時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:фата* | 作成日時:2016年6月2日 3時

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