検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:8,566 hit

18話 ページ20

私の発言に対し皆驚愕していたが一人だけ、私に近づいてくる人がいた。

「小瓶なら持っていますが一体何に使うのですか?」

「あぁ、私はこの作戦のことを全く知らずに参加していたから家族にお礼は勿論、遺書も何も残してきてないから、今から文を書いて小瓶にいれて海に流そうかなと思ってね。日本に届くかは分からないいけれど……」

そう言うと皆納得したようで、話しかけてきた人は私に小瓶をくれた。
今から文を書かなきゃ……!

「よし……!こんなもんかな」

私は頑張って書き上げた文を誤字脱字がないか何度も確認して丁寧に折り、小瓶に入れて水が入らないように固く蓋をして海に流すと言うよりも甲板から水面まで大分高いので投げると言う表現のほうが適切な気もするが、海に流した。

文を海に流し終え、甲板から海を眺めていた。
呉から出港し、山口県の徳山湾で待機していた二水戦の旗艦矢矧、第十七駆逐隊、第二一駆逐隊、第四一駆逐隊と合流して大和を含む10隻が加わり、瀬戸内海を通り大分県の沖を通り今は鹿児島沖にいる。大和が出港して何日経ったのか。一週間経ったか、はたまたまだ三日程度なのか。
敵潜水艦などはどこに潜んでいるか分からない為、すぐ行動できるように夜も安心して寝ることはできないから、寝不足で曜日感覚がおかしくなってきた。
色々と考えているうちに時間はお昼になったらしい。
私の元にわざわざ握り飯を持って来てくれた。
お礼を言い、握り飯を食べる。
塩気がきいていてとても美味しい。

「フェリや菊さん達はちゃんと寝てるかな。ご飯食べてるかな」

空を見上げながら呟いた私の言葉に返答する者はいない。
当たり前のことだけれど、私にはとても虚しく感じた。
その時だった。この雨雲の雲の切れ間から見えた“ソレ”は白に近い銀色の機体を反射させプロペラ機特有のエンジン音を奏でながら大和の頭上を飛んでいた。
その時、第二艦隊司令長官の声を耳にした。









「敵艦見ユ。各員戦闘準備。配置二付ケ。神機将ニ動カントス。皇国ノ隆替繋リテ此ノ一挙ニ存ス。各員奮戦激闘会敵ヲ必滅シ以テ海上特攻隊ノ本領ヲ発揮セヨ」

19話→←17話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
23人がお気に入り
設定タグ:ヘタリア , イタリア , 処女作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

фата*(プロフ) - エリア51さん» コメントありがとうございます。少しばかりマニアックではないかと不安でしたが、その様なコメントを頂き嬉しいと共に安心致しました。更新頑張りますので、物語の終わりまで暫しお付き合い下されば光栄です。 (2017年1月23日 6時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 10話や11話がとても細かく書き込まれていて、艦が好きな私はのめり込んでしまいました。とても素敵ですね。ご活躍応援しております。 (2017年1月22日 22時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 菊桜さん» 読んで下さり本当にありがとうございます!更新頑張りますね! (2016年6月2日 13時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
菊桜 - とても言葉が綺麗だなぁと思いました。凄いですね、お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。応援しています。 (2016年6月2日 6時) (レス) id: a6eb43f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2016年6月2日 4時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:фата* | 作成日時:2016年6月2日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。