二人だけの (ページ17)

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八重歯ページ17

それから1日経って

｢行ってくるね、帰ったら洗濯しとくし皿洗いもしとくからAはバイト頑張ってね｣

｢…」

今更、今更こんな優しくされてもなんのときめきもない

いや、付き合ってたとしてもあんなこと言われたらときめきはしないか

あーーー早く引っ越さなきゃ

なんで別れたのにここに居んだろ

｢あっちー、」

ﾋﾟｺﾝｯ。

濱くんAちゃん今何してるん?

あーなんか泣きそう、会いたいな

濱くんに会ったら私どんな表情になるのかな

私濱くんに伝えなきゃいけないことある

濱くんなに?

会ってから話してもいい?

濱くんん、家で待っとくわ

はーい。用事あるからちょっと遅くなるけど終わったら用意してそっち向かうね

ほんとは、用事なんてないしただ
ベットの上でダラダラしてるだけだけど。

でもなんて伝えようかな。

｢私別れたの、だから｣

…だから？

無理だ、無理無理。

言ったところで何になるん。って話やし

いやでも何になるんとはならないか

だって濱くんは｢彼氏と別れて一緒にならへん？｣ってこんな私に言ってくれたし

よしやっぱ伝えよう、濱くんには嘘言いたくない

私は少しメイクを変えて服も最近買った服を身につけた

服変じゃないかな？と考えてるともう目の前に濱くんが住んでいるマンションに着いていて

私はエレベーターに乗り5階のボタンを、
インターフォンを押した

｢Aちゃん！｣

ほんとにこの笑った瞬間に見える八重歯と
頬にできるシワが好きだ

｢待った？」

｢めっーちゃ待ち遠しかった、やしもう我慢出来ん｣

濱くんはそう言って私の手を強引に取りまだヒールも履いたままなのに深いキスをした

｢んっ、ちょっと、」

そのまま持ち上げられて靴を脱がされてベッドに降ろした

｢Aちゃんかわいくなっとるメイク変えた？｣

うそ、少し変えただけだけなのに

｢気づいてくれたの？」

｢ドア開けた瞬間からわかってたで｣

どうしてこんなことにもすぐ気づいてくれるんだろう。

私はそれが嬉しくて

｢濱くん、わたし彼氏と別れてきた」

こんなときに言うのバカってことは分かってる

だけどもう濱くんと前みたいに簡単に離れたくないの