二人だけの (ページ16)

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おさらばページ16

｢こうちゃんってさ私の事彼女として見てくれたことないよね」

「は？」

｢いっつも私の事下に見て、結局は私の事なんでもしてくれる女としか思ってないよねー。」

「なにそれ、なに被害妄想？そんなこと俺が思うと思う？」

｢私は今のでそう思ったよ」

「いや、風で働けってのは冗談だよ？俺が言いたいのは、

俺がジジイになってもバイトされたら困るってこと。
結婚すんだよ？俺たち

俺もほんとはバイトだけで生活したいよ、
だけど腹括って就職して今こーやって生活できてるのは俺のおかげじゃん｣

家賃もネット代も交通費も電気代も払わないくせに

この生活ができてるのは私の貯金のおかげなんだよばーか

「Aはコロコロ転職できるだけ楽でしょ｣

もう

もう無理

この人とは一生一緒に居たらストレスで死ぬわ

結婚なんかやめーた。

1回でもこうちゃんのことを運命の人だと思ってたのが恥ずかしい

私は薬指にはめていた指輪を箱に返した

大好きだったこの部屋も匂いとも、もうおさらばだ

｢こうちゃん」

「なに？」

こうちゃんの考えじゃこんだけで別れるの？って思うかもしれない、だけど私にとってはこんなことじゃないの。

｢別れてください」

私は箱を前に出し土下座をした

「……え…何言ってんの？」

初めて、初めてこうちゃんが私の言葉でテレビを消した

「たかが就職のことじゃん、顔上げてって」

ほら。たかが就職のことって、言うと思ったよ

「ねぇごめんって」

｢…」

「まさかまだ続いてたの？アイツと」

｢続いてないよ」

「嘘だ、じゃあ携帯見してよ」

私はこうちゃんの前に携帯を出す

｢はい」

「…どうせ消してんでしょ？」

｢消してないよ」

続いてるって言ったら
こうちゃん全部私のせいにするでしょ

だから絶対に濱くんのことは言ってあげない。