貧血少女の秘密 3【ky】 (ページ21)

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二十一話ページ21

その後しばらくみんなでゲームをしたり、雑談したりしていた。

突然、美咲のスマホに電話がかかってきた。

「あ、お母さんからだ」

『そろそろおひらきにした方がいいかな？』

「聞いてくる」

廊下に出て話していた。
美咲は電話ごしに怒っているようだった。

今度はフジ君が立ち上がった。

「やばっ、俺帰らないと…買い物頼まれてたんだった…！」

「お、おぉ。頑張れ」

「ごめんね、今日はもう帰る。また明日！」

慌てて帰って行くフジ君に手を振った。

美咲が戻ってきた。

「…ごめん、A…呼び出された…でも、まだ使ってて良いみたいだから！…楽しんで？」

『そっか、ありがとう』

とてもつらそうな顔をして帰って行った。

「あー…邪魔かな？」

そう言ってヒラさんも帰ろうとする。

『え！帰っちゃうの？』

人数が多い方が楽しいと思うのだけど…。

「そろそろ帰らないと親に怒られちゃうから。バイバイ」

ヒラさんも教室から出て行った。

急に静かになってしまい、少し寂しかった。

「帰っちまったな…どうする？」

『…あの…キヨ君にお願いが…』

「お？何？」

『と、トリックオアトリート…』

「へ？」

『お菓子じゃなくて…キヨ君をください』

最近あまり血を飲んでいない。
お菓子の甘い香りとキヨ君の香りで酔いそうだ。

キヨ君は顔を真っ赤に染めていた。

つられて私の顔まで熱くなる。

飲ませてくれる…のかな？