三十八話 ページ39
『…んん…』
「起きた？」
『！…っキヨ君…！？』
「看病してくれたんだ」
『…あ、…う、ん…』
やっぱりコイツ…
『…ごめんね…。私の…所為で…キヨ君、まで…こんな…』
俯きながら、呟くA。
『もう、…キヨ君に迷惑かけないように…キヨ君が退院出来たら、もう私と関わらないで…』
ここまでだとは思ってなかった。
もちろん俺の答えは決まってる。
.
.
.
.
「嫌だ」
『…え』
「嫌だって言ってんの。…反省すんならちゃんとこっち向け。」
『…っ…』
顔を上げる事を拒むAの顔を無理やり上に向ける。
「…何でお前と関わっちゃいけねぇの？」
『だ、って…キヨ君の血が…』
「別にいいじゃん。…美咲とはこんなことがあっても一緒にいんのに、…俺は駄目なの？」
『っ！そう言う訳じゃ…！』
Aの瞳には涙が溜まり始めていた。
「…泣くなよ…。どうせAの所為で俺が死んじまうのが嫌なんだろ？
…迷惑かけたくねぇって思うんならさ。…
＿＿俺から離れないでよ」
『…へ…？』
「俺はお前みたいなライバルみたいな存在をずっと求めてたの。俺のこと心配してくれんならさ、ずっと俺と一緒にいて。」
『…い、いいの…？』
「逆にいて貰わないと困るんだけど、前も言ったろ？長期間血ぃ飲まれねぇと気持ち悪いんだって。それに…
…お前にとっても、俺にとっても、互いに必要な存在だろ？」
Aの瞳から涙が溢れた。
『…っ…ごめんっなさい…！…本当に…、ありがとう…』
また泣かせちまったじゃん。
「泣くなって…」
『っ…だってぇ…』
「………。」
俺はAの頬を引っ張った。
「俺に迷惑かけたくないんだろ。…お前は笑ってた方がいい！」
『…うん』
涙を流しながらも俺のために笑ってくれる事がとても嬉しかった。
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作者名：璃音哀 | 作成日時：2017年3月21日 13時
