貧血少女の秘密 2【ky】 (ページ22)

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最終日　6 ページ22

色んなクラスの出し物を見に行き、みんなで楽しんだ。

目が笑っていなかったヒラさんも、キヨ君とフジ君がいるおかげか。自然と笑顔がこぼれるようになった。

今まで学校生活を全くと言っていいほど楽しめていなかった私。

救ってくれたのはキヨ君だ。

初めはただの食事ぐらいにしか思っていなかったのに…いつしか私には彼が大切な存在となっていた。

ふと、窓の外を見れば空が紅く染まり始めている。…もうこんな時間か。

「なぁ…」

キヨ君が私の肩を掴み、他の３人に声をかける。

「そろそろコイツ返してくんね？…もとは俺とデートの予定だろ」

そんなキヨ君の言葉を聞き、フジ君が

「そうだね！…俺達も“花火”の準備しないとだから！」

「あれ？フジって係だっけ？」

「えっ！？」

私もフジ君は係じゃなかったような気がする。

すると、美咲が

「私の手伝い。人手が足りないから頼んだのよ」

行くわよ、と言ってフジ君を引っ張っていく美咲。…あんなに仲良かったっけ？

「…ヒラは？」

少しドスの利いた声でキヨ君が問う。

するとヒラさんが

「もう邪魔はしないよ。…でも…」

私の方を向き、笑顔でこう言った。

「Aちゃん！今度一緒にゲームしよう」

予想しなかった一言に驚きを隠せなかった。

でも、その誘いを断る必要はない。
むしろ嬉しい。

『是非！また遊びましょう！』

きっとヒラさんも現実に楽しみがなかっただけ。
決して悪い人ではないのだろう。

何故か親近感が湧いた。

私がキヨ君に救って貰ったように、ヒラさんの楽しみの手助けが少しでも出来ていたらいいな…。