二日目 10 ページ16
＊美咲side
Aと清川が全然戻ってこない。
いつもならそろそろ起きても良い時間だ。
「あれ？美咲さん、どうしたの？」
フジが声をかけてきた。
先日、苗字呼びをしていたら少し嫌そうな顔をした気がしたためあだ名で呼ぶことにした。
「ん、Aと清川が戻ってこないの。そろそろ反省会始まるし…。」
「保健室？」
「多分」
フジとヒラと共に保健室へ向かった。
が…。
「…どうするのよこれ…。」
「俺に聞かないで。」
そこには座りながら眠る清川の腕の中で眠っているAの姿が。
それを見て清川に嫉妬したのは言うまでもない。
「起こす？」
「清川はまだしも、Aの眠りを邪魔したくないわ。」
「美咲さん、そんなに暁さんに依存してたっけ…？」
「うっさいわね…」
とりあえず、清川の腕をどけた。
「…二択。」
「え？」
「一、清川を突き飛ばす。二、Aをそうっと抱き上げてベットに寝かせる。」
「…二で。」
そりゃそういうでしょうね。
私はAを抱き上げてベットに寝かせる。
私の方がAよりも背が高いため、簡単に持ち上げられた。
「キヨどうしよう。」
「叩き起こす？」
「普通に起こしてあげて…」
フジが清川を揺すり起こす。
「…あ…？」
「起きた。暁さんの付き添いで来たキヨが寝てどうすんの。」
「……。」
清川が欠伸をして、ぼーっとAを見てる。
「キヨー！」
清川の顔の前で手を振って呼びかけるヒラ。
「ん…？」
「明日、楽しみだね！」
笑顔で言い放った。
笑顔…とは言い難い怪しい笑みだったが…。
私はヒラに近付き、耳元で囁いた。
それも、いつもよりも低い声で。
「Aに何かしたら許さないわよ。」
睨みつけるがヒラが怯む様子はない。
ただ、不気味に笑っているだけだった。
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作者名：璃音哀 | 作成日時：2017年4月25日 22時
