【遊戯王VRAINS】闇に紛れた月Ⅳ (ページ21)

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月夜百四十二夜目ページ21

『あ゛ー！！もういい！！分かったわよ！返せばいいんでしょ、帰せば！五体満足で帰させたらいいんでしょ！？』

ーー聞き分けが良くて助かります。ご安心ください、リボルバー様が浅葱未月の身柄を保護していますから

ーー何処ぞの無能のように○殺幇助の強制はしないから安心しろ

『めっちゃ腹立ったので取り敢えず中指立てときますね～』

ーー汚いものをリボルバー様に見せないでくれます？その指全部切り取りますよ？

『残念でした～、わたしの体は再生可能です～www』

ーー ……本当に貴女は、煽ること以外の事ができないのですね……一体六年の間、何を学んできたんですか？

『おん、思いっきりオメーにもブーメラン帰ってきてるけどな！！

取り敢えず、リボルバー！ちゃちゃっとやっちゃってよね！わたし、覚悟できてるし！』

エクリプスがニコニコ、とわざとらしい笑みを浮かべれば、壁に映るリボルバーはあからさまにバイザーの向こうの顔を歪ませる。そしてその顔を見て、いっそう笑みを深めるエクリプス。うわぁ、性格の悪さがにじみ出ているなぁ……、と未月は思わず遠い目をしてしまう

『あ、それとも技名忘れちゃった？それならわたしが言ったげようか？

『ヴァレルロード・ドラゴン』！わたしにダイレクトアタックしなさい！

“天雷のヴァレルカノン”！！！』

高らかにエクリプスが技名を叫ぶと、リボルバーのフィールドに存在する『ヴァレルロード・ドラゴン』の口が開き、エネルギー充填中の銃口が現れる。銃口の向かう先は、此方側。相も変わらずニコニコと笑うエクリプスだ

「ッ、待って！まだ私は何も分かってないのに……ッ！！」

『未月ちゃん、よーく覚えておくんだよ！“今のこの状況に君を貶めたのは、エクリプスっていうクソ人格”！！これ以上もこれ以下もない！これこそが単純明快にして最高の答えだからね！

……さあ、そろそろ君も目覚める時間だ』

そうエクリプスはスンッ、と真顔に戻って言うと一枚のカードを虚空から取り出した。枠の色からして、モンスターカード。イラスト枠の中のイラストは、刻まれた文字は……

『それじゃあまたね、ママ』

カードに刻まれた銀色の文字を読む前に、カードのイラストから放たれた眩い光が部屋を覆い尽くしていく
そしてその光と共に、未月の意識も段々と薄れていった