【遊戯王VRAINS】闇に紛れた月Ⅳ (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:8,382 hit

月夜百二十六夜目ページ2

ーー？？？side

あぁ、楽しかった

鼻歌混じりの歌手を知らない流行歌を歌いながら、わたしはLINK VRAINS内のビルの屋上を渡っていた

「てーるみー、やみーにー、きえーたきおーく、さがーしてるーんだ、ふーんふーん、ふふーんふーん、ふふんふーん、ふふふふふーん♪」

題名は何だっけ？ま、どーでもいいから別に良いけど

「それにしても、案外バレないもんなんだねぇ。結構ホンモノがしなさそうな行動ばっかとってたのに。バカだったのかなぁ？……それともわたしの演技技術がランクアップしてたからとか！？それならめっちゃくちゃ嬉しいんだけどー！」

嬉しさからスキップしそうになるのをなんとか抑えて、鼻歌を再開する。題名？歌手？知らんわどうでもいい

「うふふのふー！……こーぼれーたなーみだーがひとつー、しーびれーるこーたえーがひとつー♪」

新しい曲を適当な音で歌い、スキップしながら進む

「あ、そういえばアバター、ホンモノのを借りっぱなしだった。どーりで歩きにくいと思った……」

ポチポチと目の前に浮かんだウィンドウを操作し、ホンモノが使っていた着物アバターから、別のカジュアルなアバターに変える
真っ白なふわふわとしたTシャツ、黄色にピンクの線が入ったプリーツスカート、黄色の肩掛けに真っ赤なリボン
結んでいた髪をほどき、邪魔ったらしい長い前髪を整えれば、『ホンモノのニセモノ』から、ほら『ホンモノ』へ早変わり

「ふー、けっこー楽になったー！あのアバター地味に重かったんだよねー」

いや、わたしのアバターはかなり軽いから、逆に重く感じていたのかもしれない。ま、もう知らんけど

「後ろは見ない気にしない、わたしは前と上しか見ないし気にしない！誰かが言ってた！多分！」

「そうか、なら無理矢理にでも後ろを向いてもらおうか」

「……んー？」