検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:7,777 hit

其の肆 ページ5

全部、話した。
目の前で親が殺されたこと。私が妖力で姉様の力を跳ね返したこと。
カイラは何も言わずただ聞いてくれた。私が上手く話せなくても聞いていてくれた。

「これで、全部、だよ……」
「そうか、話してくれてありがとう」
「なん、で、お礼なんか」
「お前最初は言うの嫌がっていただろう、それなのに話してくれた」

そんなことで?

「おい?大丈夫か?」
「っうん、大丈夫………」
「そうか。……ああ、A、お前ここで暮らせ」
「………え」
いまカイラは何と?
「あの、今何と?」
「だからここで暮らせと」
「へ?でも私がいたら迷惑になっちゃう」
「?何故だ」
「だって私は鬼族で、一族の邪魔者で、死ぬべきで…………」
「ここは鬼族が暮らしているところではない。お前が邪魔とか死ぬべきとか思うやつはいない………半妖をよく思っていない奴はいるが、私はこのとおり暮らせている。大丈夫だ」
どうしよう。そう言われてもやっぱり私はここにいちゃいけない。でも、これからどうするの?帰る場所なんてない。ああ、死ねば……
「おい、お前死ぬとか考えてはいないよな?」
「……………」
図星だ。
「考えてたんだな」
「うぅ、はい………」
「死ぬ必要なんてないんだ。お前の居場所はもうここにあるんだ。Aはひとりじゃない、ここにいて、いいんだ」
「っ………うん………」
自然と涙が溢れていた。
誰かにこんなに優しくされたことがなかった。
ひとりじゃないと、言ってくれた。
それがどれだけ私を救ってくれたか。

「もう泣くな」
カイラの指が私の涙を拭った。
「目が腫れるぞ………」
「だい、じょうぶ、ありが、と…………」
「ああ」



そうして私はカイラの住んでいるお屋敷に住まうこととなった。









これからしばらくカイラと夢主ちゃんのお屋敷ライフ(????)が続くと思いますが、楽しんでいただけると幸いです

其の伍→←其の参


ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 5.9/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かなり - 私も、カイラ様が大好きでいつも読み返しています!この小説を書いてくれて、ありがとうござます!これからは、体にも気おつけて、頑張って下さい!応援しています! (2020年4月8日 17時) (レス) id: 591368bcea (このIDを非表示/違反報告)
緋色(プロフ) - 雪月花さん» カレーを食べるカイラ様が活力になったのならよかったです!!!はい!ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年1月6日 4時) (レス) id: 4268a51a17 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花(プロフ) - 緋色さん» 私はカレー苦手なんですけど、カレーを食べているカイラ様を想像すると活力が湧いてきますね!更新頑張って下さい (2020年1月1日 23時) (レス) id: 90ab4e80ea (このIDを非表示/違反報告)
緋色(プロフ) - お米(^q^)さん» そう言っていただけて嬉しいです!はい、更新頑張ります!ありがとうございます! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 4268a51a17 (このIDを非表示/違反報告)
お米(^q^) - ここの小説すごく気に入りました!更新頑張って下さい! (2019年11月3日 5時) (レス) id: 12ae9fe977 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:緋色 | 作成日時:2019年10月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。