其の肆 ページ5
全部、話した。
目の前で親が殺されたこと。私が妖力で姉様の力を跳ね返したこと。
カイラは何も言わずただ聞いてくれた。私が上手く話せなくても聞いていてくれた。
「これで、全部、だよ……」
「そうか、話してくれてありがとう」
「なん、で、お礼なんか」
「お前最初は言うの嫌がっていただろう、それなのに話してくれた」
そんなことで?
「おい?大丈夫か?」
「っうん、大丈夫………」
「そうか。……ああ、A、お前ここで暮らせ」
「………え」
いまカイラは何と?
「あの、今何と?」
「だからここで暮らせと」
「へ?でも私がいたら迷惑になっちゃう」
「?何故だ」
「だって私は鬼族で、一族の邪魔者で、死ぬべきで…………」
「ここは鬼族が暮らしているところではない。お前が邪魔とか死ぬべきとか思うやつはいない………半妖をよく思っていない奴はいるが、私はこのとおり暮らせている。大丈夫だ」
どうしよう。そう言われてもやっぱり私はここにいちゃいけない。でも、これからどうするの?帰る場所なんてない。ああ、死ねば……
「おい、お前死ぬとか考えてはいないよな?」
「……………」
図星だ。
「考えてたんだな」
「うぅ、はい………」
「死ぬ必要なんてないんだ。お前の居場所はもうここにあるんだ。Aはひとりじゃない、ここにいて、いいんだ」
「っ………うん………」
自然と涙が溢れていた。
誰かにこんなに優しくされたことがなかった。
ひとりじゃないと、言ってくれた。
それがどれだけ私を救ってくれたか。
「もう泣くな」
カイラの指が私の涙を拭った。
「目が腫れるぞ………」
「だい、じょうぶ、ありが、と…………」
「ああ」
そうして私はカイラの住んでいるお屋敷に住まうこととなった。
これからしばらくカイラと夢主ちゃんのお屋敷ライフ(????)が続くと思いますが、楽しんでいただけると幸いです
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かなり - 私も、カイラ様が大好きでいつも読み返しています!この小説を書いてくれて、ありがとうござます!これからは、体にも気おつけて、頑張って下さい!応援しています! (2020年4月8日 17時) (レス) id: 591368bcea (このIDを非表示/違反報告)
緋色(プロフ) - 雪月花さん» カレーを食べるカイラ様が活力になったのならよかったです!!!はい!ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年1月6日 4時) (レス) id: 4268a51a17 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花(プロフ) - 緋色さん» 私はカレー苦手なんですけど、カレーを食べているカイラ様を想像すると活力が湧いてきますね!更新頑張って下さい (2020年1月1日 23時) (レス) id: 90ab4e80ea (このIDを非表示/違反報告)
緋色(プロフ) - お米(^q^)さん» そう言っていただけて嬉しいです!はい、更新頑張ります!ありがとうございます! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 4268a51a17 (このIDを非表示/違反報告)
お米(^q^) - ここの小説すごく気に入りました!更新頑張って下さい! (2019年11月3日 5時) (レス) id: 12ae9fe977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋色 | 作成日時:2019年10月20日 1時