其の参 ページ4
「…………ん……………………」
目を開けると天井が目に入る。
あれ、ここはどこだっけ…………ああ、そうだ。カイラっていう男の子に助けられたんだ………。
これからどうしよう
帰る場所もない
死んでしまえばよかったのに
「起きたか、体は大丈夫か?」
空いた襖からカイラさんが出てくる
「……はい、大丈夫…です」
「そうか。それからすまないが、少しお前の話を聞かせてくれないか。まだ名前も聞いていない」
そういえば名乗っていなかった。
「えっとAといいます……」
「Aか。あと、敬語じゃなくていい」
「う、うん………」
「それでいい。本題に入るが……なぜあんな所で倒れていたんだ?」
どうしよう。私の存在は鬼族の中でも知られていなかったりする。なのに、話してしまって良いのだろうか、鬼族の名に傷がつくのではないか。父様達が作り上げてきた鬼族の名に。
「……話せないのか?」
ずっと黙っていた私にカイラが聞く。
「ごめん、なさい……言えない………」
「そうか。またいつか話してくれればいい。何か理由があるんだろう…………あと、お前半妖だろう。鬼族と、人間の」
「………っ」
なんで、わかるの
「どうして……わかる、の?私はなにも、言ってないのに」
「私も妖怪と人間の血を半分づつ持った半妖だからだ」
「え…………」
「そうだ、お前と同じだな」
私と……同じ…………。確かに、カイラの妖気は普通の純粋な妖怪の血を持った妖怪とは少し違う……
なんとなく妖気でわかるがカイラはイザナ族。
鬼族と同じ希少種族……
そして、多分カイラは名家の者だ。妖気がそう伝えてくる。
「カイラは……隠されないの……?存在を………だって半妖なんでしょ?」
「ああ、私はこれでも名家の跡取りだからな………」
跡取り。私なんかにはかけ離れた言葉だ。
カイラが口を開いた
「その、聞いていいのかわからないがAは存在を隠されていたのか……?」
鬼族の中での生活が蘇る。部屋から出れなかったこと。同年代の子とも話したことがなかった。
今になってその寂しさが溢れてくる。
頬を伝って悲しさが流れる。
「話すよ……私の事……」
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かなり - 私も、カイラ様が大好きでいつも読み返しています!この小説を書いてくれて、ありがとうござます!これからは、体にも気おつけて、頑張って下さい!応援しています! (2020年4月8日 17時) (レス) id: 591368bcea (このIDを非表示/違反報告)
緋色(プロフ) - 雪月花さん» カレーを食べるカイラ様が活力になったのならよかったです!!!はい!ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年1月6日 4時) (レス) id: 4268a51a17 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花(プロフ) - 緋色さん» 私はカレー苦手なんですけど、カレーを食べているカイラ様を想像すると活力が湧いてきますね!更新頑張って下さい (2020年1月1日 23時) (レス) id: 90ab4e80ea (このIDを非表示/違反報告)
緋色(プロフ) - お米(^q^)さん» そう言っていただけて嬉しいです!はい、更新頑張ります!ありがとうございます! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 4268a51a17 (このIDを非表示/違反報告)
お米(^q^) - ここの小説すごく気に入りました!更新頑張って下さい! (2019年11月3日 5時) (レス) id: 12ae9fe977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋色 | 作成日時:2019年10月20日 1時