初恋なの ページ34
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晴れていたら眺望がすごかったんだろうなぁ。
あいにくの雨、水滴が窓を覆ってる。
その向こうに、ぼやけて夜のネオンが見えた。
藤「雨だねぇ」
後ろから腰を抱きしめられた。
わたしも太輔くんもバスローブ姿。
ここは太輔くんが手配してくれた、ホテルのスイートルーム。
何階の部屋だったっけ、とにかく高層階で、
晴れてたら都内が見渡せたはずだ。
「こんな機会ってもうないだろうなぁって思って見てた」
太輔くんはくすっと笑うと、
わたしを引き寄せてカーテンを閉めた。
唇を重ねられる。
バスローブもするんっと脱がされて、ベッドに倒された。
リモコンで部屋の電気を消される。
太輔くんもバスローブを脱いで、そのシルエットが映る。
いつもはどっちかの家で、だったから、少しだけ落ち着かない。
部屋が広すぎるせいかもしれないな。
抱き合っているときは頭がおかしくなっちゃいそうになる。
だけど、抱き合ってない方が、頭おかしくなっちゃうかもしれない。
両足を太輔くんの腰に巻き付ける。
太輔くんとひとつになりながらキスをして。
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――― 一段落したあと、見つめ合った。
今までは、誰でも彼でも引っ掛けて、テキトーに相手してた。
そこに愛情は伴わずに。
太輔くんも、最初はそうだった。
今太輔くんに抱いてる感情は、今まで知らなかったかもしれない。
こんなにも好きで、好きで。
「太輔くんは、わたしの初恋だ」
太輔くんは、少し目を見張ったけれど。
柔らかく微笑んで、わたしにキスを落とした。
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作者名：わたあめなのは
| 作成日時：2022年9月20日 15時
