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頭が痛い。
割れるように痛い。
両手で頭を抑えつける。
鮮明な記憶が流れ込んでくる。
ガンガンと鳴り響き、
ゆうくんが何か言おうと口を開けているのに、
何も聞こえない。
_____『A……』『良い子だ、』『優の代わりにお前が私の部屋に___』『お前はやっぱり可愛い奴だなあ』『痛いか？そうかそうか、すぐに良くなるよ』『ああ、A』『こっちに寄りなさい』『暴れるな！！！！』『はは、いい眺めだなあ』『よしよし、おいで』『優だけじゃなくて、他の子も庇ってあげるのかい？優しいねえ、』『A、俺を庇わなくていいよ。Aが苦しそうに笑うの、俺見てられない』『A』『A』『A』『A』_________
息が荒くなる。
記憶が、一気に昨日のことの様に溢れかえる。
身体を這う手が、
ねっとりとした口調が、
絡めるような視線が、
全身に纏わりつく。
呼ばれる自分の名前が酷く気味悪い様に聞こえて、
愛を囁く言葉が薄っぺらく感じた。
悪寒が走り、
腹部に何かが蝕んでいる様な気がして、
おえ、と吐いてしまう。
視界がぐらつく。
腕が溶け落ちた男の子が今何をしているのかすら、
確認できない。
ゆうくんは？彼の声が聞こえない。
ぐるぐるぐるぐるぐる。
記憶が巡って、頭を掻き回して、
精神を食い尽くす様に暴れている。
彼女の頭を、恐怖が占める。
怖い。
怖い。
「A」
「迎えにきた」
誰かが彼女の身体を抱きしめる。
あやす様に、何度も背中をさする。
誰が、と考える余裕は彼女には無かった。
「っは、ぁ、……っぅ、ぉえ、」
それでも吐き気が止まらず、吐き続けてしまう。
抱き寄せられ、とく、とく、と一定のリズムで鼓動が聞こえる。
「もう、大丈夫だ」
低く、優しい声。
温かくて、甘い声。
感覚の無い指先で必死に探る。
「っは、ぁ、と、っく、ん…」
「ああ、そうだ。
ごめんな、もっと早くに迎えれなくて」
死柄木は、
荒い呼吸をする彼女の腕の中にいる、
少年の亡骸を退かして、
彼女が伸ばした手を、4本の指で絡ませた。
彼女は呼吸するのに必死で、
そのことに気が付かない様だった。
優越感を感じて微笑みながら、
死柄木は、彼女の背中を叩くのをやめ、
汗ばんだ額に掛かる髪を丁寧に直した。
「ごめ、っ…なさ、い、…きた、な…」
「汚くない、好きなだけ吐いていい。
…ヒーロー達が来るから帰ろう、」
お前の幼馴染もな、と言って、
死柄木は彼女を抱きかかえた。
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maro(プロフ) - こういう弔くんの夢小説を探していたんです......!!!見事にどっぷりハマりました👍🏻 ̖́-︎続きを気長に待ってます！！ (4月12日 14時) (
レス) id: 89c84e5ca3 (このIDを非表示/違反報告)
もあ(プロフ) - すごい考えられた話で たまげました！とむとむのこうゆうお話あまり無いのですが、どストライクすぎて何回も読ませていただきました🥰お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています！ (8月16日 20時) (レス) id: 595898a75e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - わぁぁ！めちゃくちゃ続き気になります！！夢中で読んでしまいました！笑続き待ってます！ (2022年7月13日 14時) (レス) @page44 id: da656baae2 (このIDを非表示/違反報告)
Yo - 読んでめっちゃドキドキしてました！！ゆっくりでいいので続き楽しみにしています(^^)更新頑張ってください！ (2022年3月12日 23時) (レス) @page41 id: b7d6e0178a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - えぬえさん» 返信遅れて申し訳ないです…🙇♀️ここまで至るに随分時間がかかってしまい…亀更新なのに読んでくださり感謝しかないです…！コメントは力の源…！頑張ります💪 (2022年1月1日 1時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年9月17日 10時
