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呼びかけても返事がない死柄木の顔を
彼女は覗き込んだ。
「とむらくん、どうしたの」
おこってる？と困った様に眉を下げる彼女を見て、
慌てて頬を指先で撫でる。
「怒ってないよ、考えごと。
___ほら、好きなの買ってこいよ」
ここで待ち合わせな、
と誤魔化すようにお金を渡す。
一緒に行かないの、と彼女が言うと、
俺も用ができたからと言う。
一点を目の前で捉えたまま、
心ここにあらずと言わんばかりの返事に、
分かった、と彼女は微笑んで、走っていく。
・・・
「A、」
ハンバーガーを受け取った時、
自分の名前を呼ばれて振り返った。
「お前、Aだよな？」
赤髪の少年と、黄髪の少年が立っている。
切島と、上鳴だった。
_________________________まずい。
Aは咄嗟に思った。
彼女は既に『全ての記憶』が戻っていた。
閉じ込められてから、1週間後くらいに。
個性に当てられたのは事実で、
記憶を無くして居たのも事実だ。
だが記憶が戻っても、どうしても逃げられなかった。
死柄木のぎこちない愛情や、Aへの気遣いが、
余りにも不器用で甘くて。
可愛い、とも可哀想、とも思った。
恋愛感情かは分からない。
もしかしたら愛玩に近いかもしれない。
どちらにせよ、閉じ込めた張本人に愛しいと感じてしまった。
大概私も、狂ってるのだ。
自覚した時、
自嘲したことも覚えている。
向こう側からしたら、私は誘拐されたクラスメイト。
逃げてもごまかしても、
警察やヒーローに伝わってしまう。
あの人に、迷惑をかけてしまう。
ずかずかと歩み寄っていく切島に、立ちすくんだ。
「さっきから見てたんだけどよ、やっぱりそうだ！
お前がいなくなって、みんなすげぇ心配してたんだよ！」
切島は彼女の手を掴む。
やめて。
左腕の傷が痛んで、
思わず顔をしかめる。
「爆豪も！何ヶ月も探してたんだぞ！
何でこんな所に……」
やめて。
「…っ」
やめて。おねがい。
私は、戻らなくてもいいから。
「私、何のことか____」
「A」
聞き覚えのある低い声に、
思わず肩を、震わせた。
振り返っては、だめだ。
「アホ面から連絡されて、きた」
肩を掴まれ、振り返らせる。
「ぁ……」
「なァ、どこ行ってたンだよ」
汗を流して、息を切らして、
滅多に見られない泣きそうな顔に、
私はもうどうすればいいか分からなかった。
かつきくん。
憧れていた、もう過去の人。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
