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ビキ、ビキ、と不快な音が出た。
「っ、あ」
俺の口から、言葉にならない声が出る。
一瞬、一瞬だけだ。触れたのは。
だけど
「し、__さ…！」
彼女の腕に、ヒビが広がって_____
「_____！」
そのまま、Aを_____
「___________________死柄木さん！！！」
ぎゅ、と頬を掴まれ、我に返った。
彼女は真剣な顔をして真っ直ぐ見詰めていた。
苦しそうに、汗が滴って、眉間に力が入っている。
「だいじょうぶ、死柄木さん、だいじょうぶだから」
泣かないで、と彼女は言った。
俺は泣いていた。
苦痛に耐えて笑っている彼女を見て、
ぼろぼろと溢れる。
そんな苦しそうな笑顔が見たかったんじゃない。
傷付けたかったわけじゃないのに。
「止まったよ、だいじょうぶ。心配ないよ」
彼女は死柄木を抱き締めて、
それでも泣き止まない彼の頬にキスをした。
まぶたに、額に、唇。
子供をあやすように、静かな口付けを。
「死柄木さん、」
「ごめ、ごめん、き、嫌わないで…」
怯えながら死柄木は彼女を避けた。
触れればまた壊してしまうから、
抱き締めることが出来なかった。
彼女は彼が解いた包帯を手に取り、
死柄木の指に触れながら、手慣れた仕草で巻き直した。
その手にも、キスを落とす。
「っ、」
死柄木は、手を振り払おうとした。
だがAは強く掴んだままだった。
死柄木を見詰めながら、指先に擦り寄る。
「嫌わないよ、」
だいじょうぶ、だいじょうぶ。
あなたを嫌うわけない。
私はあなたと、一緒にいるから。
何度も言い聞かせる優しい口調に、
死柄木は徐々に落ち着く。
「ごめん、ごめんA……」
握った手を握り返す死柄木に、
Aはほっと息を吐いた。
左腕がズキズキ痛む。
肩から肘にかけて長いヒビの様な跡が残った。
でも、指先は動く。
「わざとじゃないんだ」
「うん、」
「制御もうまくできなくて、」
「うん、」
彼の声はまだ震えている。
幼い子供に対するように、何度も何度も頷いた。
「もう痛くないから、」
彼女は微笑んで、死柄木の頭を撫でた。
「ほら、さわって、」
両手を広げて迎えると、
死柄木はぎこちない動作で肩に頭を乗せる。
彼女の背に触れ、
ゆっくりと両手で抱き締めた。
「外に出るのは、また今度にしようね」
「…………うん、」
肌の温かさに、
死柄木は安心した。
良かった。
緊張がほどけ、
一気に眠気で意識は遠のいて、
脳が溶けるように眠った。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
