【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ11)

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お昼を食べ終えた後、私はユウ達と別れ、一人で学園内を歩く。

特に何もすることも無く、ただ無駄に時間だけが過ぎていく。

時間を持て余しながら歩いていると、気がついた時には植物園に居た。

緑がたくさんある。故郷ではあまり見ない色味。

私の故郷は、冷たくて、暗くてジメジメした色ばかり。

それに、酸素が濃い。光合成というやつですね。

陸に上がってから知ったけど、植物ってこんなにも神秘的で美しい。

そう思いながら歩いていると、つま先に何かが当たる。

石でもあるのかと思い目線をやると、そこには大きな人がすやすやと寝ていた。

おっと、人の眠りを妨げるところでした。早めに離れましょう。

すると、何だか長いものが足に巻き付いてきた。

フィリウス「わっ！？」

驚きすぎて大きな声を上げると、眠っていたその人は不機嫌そうに瞳をあけた。

レオナ「………… うるせえな。人が眠ってんの見えねぇのかよ。」

フィリウス「す、すみません。足になんか付いてきたからびっくりしちゃって、」

そう言いながら足に巻き付いているものを触ると、さらにその人は不機嫌になる。

レオナ「おい、勝手に人のしっぽ触ってんじゃねぇ。」

は？しっぽ？

レオナ「………… ってか、無意識に俺がやってたのか。

……………… まぁ、いい匂いしてたし。」

何かを呟きながら、その人はしっぽとやらを足から外してくれた。

フィリウス「そう言えば、前にも貴方のようなもふもふのお耳を持った人に会ったような。

ハッ、そう言えばジャックさんももふもふのお耳…… サバナクロー寮の生徒さんって、魅惑的ですね。」

レオナ「…… 馬鹿にしてんなら喰うぞ。草食動物。」

フィリウス「ヤダなぁ。私は魚ですよ～。」

へらへらと笑いながらそう言うと、その人は小声で、何かを言ったけれど、上手く聞き取れなかった。

フィリウス「…… あ、すみません。睡眠の邪魔をしてしまって。

私、もう行きますね。」

そう言って離れようとすると、その人は私の腕を掴んで引き寄せた。

私はバランスを崩し、その人に覆い被さるように倒れ込んだ。