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拾壱ノ話 ページ12






義勇さん達が早く鬼を見つけてくれれば良いんだけど……そう簡単に上手くいかないことを知っているから私の警戒心はMAX。

ここ二週間で作り笑が誰よりも上手くなった自信がある、しのぶと勝負して拾勝零敗だわ。


男壱「涙華花魁、今日も恐ろしい程に綺麗だな……」

男弐「女も羨む美しさってのはこの事だろう」

男参「あの容姿で、色気も有るってのがまた。たまんねぇ」


嗚呼……

気持ち悪ぃ。客観的事実なのかも知れないけど、本人が思っても無いことをそうベラベラと喋られても大して嬉しくない。

普通の花魁達は自分の美しさに絶対的な自信を持っていると言うが、私が自身に持つ信頼なんて剣技の強さのみ。
それ以外何も優れたものがないと自分で思うんだから、致し方ない。


『まァ……これだけ褒められれば自意識過剰かも知れないけど、変な自信は付くよな』


作り笑の微笑みを浮かべながら道を歩く。
剣技一筋の道ってワケでもないけど、それなりに鬼殺隊に命を捧げて来たから。
煌びやか吉原遊廓は、私には似合わない。


『……っっ──!?あの音と匂い……』


遊廓ってすげーなー。なんて心中で黄昏てた、丁度その時に通り過ぎた見世の花魁。

私同等、この街には似つかない。怖いくらい静かな音。
人間じゃない匂い。

私が勢いよく後ろを向く。普段なら叫ぶくらいの勢いで首をつって正直猛烈に痛い。
周りに居た義勇さんに目配せをすると気付いたようで、尾行を始めた。

花魁道中は無事終わらせ。客との遊びも早々に終わらせ。見世に帰り着いた。


『内儀さん』

内儀「どうしたの?涙華」

『花魁、涙華は本日で辞めさせて頂きます。私は政府非公認の鬼を切る部隊、鬼殺隊の最上位階雨柱。逢坂Aと申します。鬼探索の為潜入に使わせて貰いました』

内儀「はっはっはっ、やっぱりそうか。あんたみたいに綺麗で言葉遣いや仕草まで完璧な娘が売られる訳が無いさ。
鬼を切る……ね、信じ難いが応援するよ」


最終日にして、内儀さんの仮面が取れたような気がした。
最終日ってのが残念だけど。おおらかで、意外に絡みやすい人だったのかな……なんて。


『では、失礼します。ふふ、またお会いする事があるかもしれませんね』


捨て台詞を吐いて、私はその場を去った。

花魁と言う仕事はなんとも面倒臭いものばかりだが、仕事仲間は皆良い子達なんだろう。素直にそう思う。


『守らなきゃ』

富「そうだな」

時「何守んの」

『ぎゃっ!?』


…………こいつら、義勇さんどころか無一郎まで気配消して寄ってきやがって…。

いい感じに終わろうとしてたのに。

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冨岡義勇が大好きな人 - すみません。冨岡さんルートの先のストーリーがURLでの移動ができません。これはどうしたらいいのか教えてください。 (2020年3月5日 0時) (レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
エメラルド・アリス - ぐぁんばれぇぇぇ((おい敬語だろ  すいませんでした (2020年2月16日 13時) (レス) id: 8a3a604a3a (このIDを非表示/違反報告)
かりんとうまんじゅう - いつも楽しみに読ませていただいてます!これからも頑張って下さいね! (2020年1月7日 22時) (レス) id: 5b8fccba8f (このIDを非表示/違反報告)
むい。(プロフ) - ムニエルさん» あ、はい。よくやるんですよね全く。ありがとうございます (2020年1月3日 9時) (レス) id: 830124773a (このIDを非表示/違反報告)
ムニエル - す、すいません義勇さんの冨が誤字ってます (2020年1月3日 4時) (レス) id: 12d65f590d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:24suganoya | 作成日時:2019年8月4日 23時

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