30 ページ30
あれから3か月以上経った。
3か月経った今でも、私の頭の中と心は整理整頓出来ていない。
あの夏休みから、ジスくんはいつものジスくんじゃなくなった。
あの夏休みが終わって実家からこちらへ戻ってきたら、ジスくんは戻ると思った。
ギュリンさんが隣にいる、あのジスくんに戻ると思っていた。
しかしジスくんはギュリンさんと2人じゃない時も私に話しかける様になった。
母親への誕生日プレゼントを買いたいから一緒に来て欲しい、と毎日続くカトクの中で誘われたりもした。
流石にそれはアウトだろう、と思い断ったが「ギュリンにも承諾を得ている」と言われては断りたくても断りきれなかった。
結局、ジスくんと一緒に電車に乗って、駅前のショッピングモールで午前中から夕方まで買い物をしたのだった。
「それって大チャンスなんじゃないの？」
『や……やっぱり……？』
いつもの週末、いつもの4人でいつもの居酒屋さんでご飯を食べている最中、ミンギュが箸をこちらに向けて言ってきた。ちょっと、口の中の物見えてるから。
ここ最近のジスくんの行動からして、実るのではないかとミンギュに急かされ続ける。
「入学当時よりAすごく楽しそう、よかった」
ソクミンがお冷ですー！と冗談交じりに水を渡してくる。
『え、そうかな……まあ、昔みたいにジスくんと遊べるようになってすごく嬉しい……かも』
「ヒュウヒュウ〜！いいねえ青春って！ね、ミンハオ」
「おい、肩揺らすなアホ犬」
「まあまあ、でもこれでジスさんの誕生日プレゼントも無事渡せそうだね」
ソクミンの言葉に私はうんうん、と大きく首を縦に動かす。
12月30日はジスくんの誕生日。
今までだって毎年プレゼントは渡していたけれど、ここ何年は郵送とか、ジスくんのお母さんに頼んで渡してもらっていた。今年は、やっと手渡しで渡せる。
「Aは大晦日実家帰るの？」
『うん、その時に渡すつもり。ミンギュは？』
「俺はバイト入っちゃってさー……ソクミンと一緒に年越すことになった……」
「ねえなんでそんな嫌そうに言ってるの、」
『2人仲いいから鍋とかやればいいじゃん。ミンハオは？』
「俺はばーちゃん家」
『ふーん』
年末にバイトって入っちゃうものなんだな。
私は短期のバイトで良かったな、としみじみ感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るちこ(プロフ) - ああああああああハオちゃんんんんんんんんんちゃんんんんんんんんん (11月10日 4時) (
レス) @page46 id: c87158ddcc (このIDを非表示/違反報告)
ゆずちゃ(プロフ) - え、最高すぎないんか、ほんとてんさい、はあ、もう余韻が、ありがとうございます。 (6月17日 23時) (レス) @page46 id: 431dcc5ea7 (このIDを非表示/違反報告)
ここここ(プロフ) - 伏線回収やばすぎて鳥肌でした…一気読みしてしまいました…楽しすぎました…主最高ですありがとうございました (5月21日 13時) (レス) @page46 id: 4b95013bd6 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - こんなに素晴らしい物語は初めてだ！！ (2022年10月17日 20時) (レス) @page46 id: dc7d3a4bc1 (このIDを非表示/違反報告)
ぢゃぬん - ハオが‥純愛すぎて‥文字だけなのにむっちゃ照れました‥！神です‥ (2022年9月25日 22時) (レス) @page46 id: 6ab475b0f8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sumi
| 作成日時：2018年3月10日 0時
