侑士のターン:★ ページ6
部活もあと少しで終わりだという時間帯、特に仕事も無かったため部室でタオルを畳んでいると寝ぼけ眼の芥川君がやって来た。
「あれ、どうしたの?」
「んー……ちょっと、それ貸してー」
いうが早いか、ベンチに座っている私の膝に頭を乗せた芥川君。それというのはつまり、私の膝のことなのだろうが、普通に驚いた。
「芥川君、せめてコートには居なくちゃ」
「外暑いC……」
「跡部君に許可取った?」
「……」
そのまま返答の無くなった芥川君。頭を動かすことも躊躇われ溜息を零す。もうすぐ皆も戻ってくるだろうし、宍戸君あたりにでも助けて貰おう。
そう結論付けた丁度その時、部室の扉が開く。
「……何しとんねん」
「あ、助けて」
ドアの前で怪訝そうな顔を浮かべる侑士はこの状況を見て固まる。動けないの、そう付け加えれば私の隣へと腰掛けた
「何でこうなったんや……」
「問答無用かな」
なんとなく、芥川君の髪を梳いたり撫でたりをしていればその手を侑士に掴まれる。侑士はそのまま芥川君の耳元に口を寄せ何かを囁いた。
その行動に首を傾げていれば忽ち、芥川君が飛び起きる
「え!?丸井くん!?ドコドコ!」
そのまま部室を足早に去っていく芥川君。2人で顔を見合わせて微笑んだ。
「部活終わったの?」
「勝ち抜け一番乗りや。残りはもうちょい掛かるんとちゃうか?」
どうやら逆トーナメントでワンセットマッチをしているようで、早く勝ち抜いた芥川君、そして侑士はいち早く部室へ戻ってきたらしい
成程、と1人で納得していれば隣の侑士がふいに倒れ込み、それを私の太ももがキャッチした。
私を見上げる侑士と目が合う
「何してるの」
ジト目で見つめれば侑士はこちらに手を伸ばし私の頬をゆったりと撫でた
「侑士君のことも構ってや」
そのまま頬を抓られて短く悲鳴を上げる
「いひゃい」
講義の視線を送っても侑士は俄然無表情のままだ。
「相手が相手やったからあんま言わへんけど、結構怒ってんで」
「いひゃいって」
仕返しにと侑士のメガネを攫う。しかし度の入っていないそれを奪ってもダメージはゼロのようで
「キス、しやすなったなぁ?」
そのまま体を少しだけ上げた侑士にまんまと口を塞がれた
侑士のターン
「……宍戸さん、俺部室に入りにくいです」
「よし、ジャンケンで負けた奴が先陣な」
「しんがりは任せてください」
「おっ、さんきゅ日吉……ってそれ1番後ろじゃねえか!」
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光華(プロフ) - 逆からのやつ感動です!!柳君だからこそできることかな?神ですね! (2021年3月11日 21時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Ö(プロフ) - 逆から読むのは凄すぎました!!! (2020年1月27日 23時) (レス) id: 0d992502c1 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 逆から読むのがわからないです…。理解力なくてすみません!!気になるので誰か教えてください! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2a82e997d1 (このIDを非表示/違反報告)
佐和(プロフ) - はじめまして。ろちこさんの作品にはまってます。がっくんのプロポーズ、笑いました。からあげwww逆ハ話も好きですが、誰か個人落ちの話をもっと読んでみたいです。更新頑張ってくださいm(._.)m (2019年8月18日 0時) (レス) id: 892b8d0726 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - ゼクシィじゃねーのが面白すぎたので日常会話で積極的に使っていこうと思います(^ω^) (2019年7月10日 19時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年4月17日 2時