財前の話 Ver.2:★ ページ18
今朝の切原はそれはもう早起きやった。なんてったってあのAさんと朝食を共にできるんやからウキウキなわけである。
「A先輩!おはようご」
しかし、人生とは上手くいかないものだ。
挨拶を放棄し笑顔を固める切原。
「切原クンおはようさん。俺も混ぜてな」
3人掛けの席に座るAさんと、何故かそこにいる白石部長。何がどうしてこうなったのかは知らないが、見た限り、2人っきりの朝食ではなくなったらしい。
「……ザイマス」
しかも相手があの部長やから切原は何も言えん。
後ろの席で吹いてしもた。
良かったやん切原。憧れの2人と朝食やで
「……2人って面識あったんすね」
イケメンの部長と美人のAさんはやはりというか、絵になった。それを交互に見る切原は不貞腐れながらもまるで一つの芸術作品を見るような目で2人を眺めていた。
「そら一緒に合宿してればなあ。特に、Aちゃんとは仲良うなりたかったし」
瞬間、周りからガタンと音がした。なんやと目をチラつかせれば音を立てたのは主に立海の選手だと言うことが分かる。なんや、聞き耳立てとったのは俺だけやなかったのか
「アカン、白石がナンパしとる」
コソッと耳打ちをしてきた謙也さんも、やはり前の席が気になっていたらしい
「こちらこそ、仲良くしてね」
「……自分クールやな」
「赤也、野菜も食べて」
しかし流石Aさん。部長の口説き文句は軽くスルーされ、眼前の切原の好き嫌い事情に話を転換させてしまう。名前を呼ばれ喜ぶ切原も野菜の話となれば顔を渋らせた
「いやあ……好きなものだけ取ってきたら肉ばっかになっちゃって」
「そらアカンで、バランスは大事や」
部長にまで指摘され切原はとうとう眉尻を下げた。心の中で嘲笑していればふいにAさんが身体を捻り、こちらに顔を向けてきた。
ドキリ、心臓が跳ねる
「ほら、財前君はしっかり食べてる」
俺の朝食を指差すAさん。
「ウチの次期部長はしっかり者やな」
「ぐっ……」
そんなことを言われては切原も悔しいのだろう。忽ち立ち上がり野菜コーナーへと走っていく姿に2人は微笑んだ
Aさんはそのまま、俺に目を合わす
「財前君おはよう」
「……っす」
「あ、Aちゃんそういやな」
しかし俺を見ていたはずのAさんが姿勢を戻して部長に向き直る姿は、なんとなく、
面白くなかった
財前の話〜Ver.2
次の印象は、引く手数多のお姉さん
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光華(プロフ) - 逆からのやつ感動です!!柳君だからこそできることかな?神ですね! (2021年3月11日 21時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Ö(プロフ) - 逆から読むのは凄すぎました!!! (2020年1月27日 23時) (レス) id: 0d992502c1 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 逆から読むのがわからないです…。理解力なくてすみません!!気になるので誰か教えてください! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2a82e997d1 (このIDを非表示/違反報告)
佐和(プロフ) - はじめまして。ろちこさんの作品にはまってます。がっくんのプロポーズ、笑いました。からあげwww逆ハ話も好きですが、誰か個人落ちの話をもっと読んでみたいです。更新頑張ってくださいm(._.)m (2019年8月18日 0時) (レス) id: 892b8d0726 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - ゼクシィじゃねーのが面白すぎたので日常会話で積極的に使っていこうと思います(^ω^) (2019年7月10日 19時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年4月17日 2時