赤也が可愛い ページ2
立海テニス部、恐怖の夏季合宿。ハードな練習を終えた皆は食事と入浴を終えれば年相応に騒ぐ隙もなく、泥のように眠りについた。
私も早いうちに眠りについたハズだったのだが、慣れない寝床、深夜に目が覚めてしまった
その場にいても再度眠ることは難しそうなので、一度ロビーへと向かう。
自動販売機でお茶を買おうとしたその時、後ろから声を掛けられた
「あれ、A先輩も眠れないんすか?」
ガチャン。お茶が落ちたあとに振り返る
「切原君も?」
そう返すと苦笑いをする切原君
「いやあ、枕違うと眠れねえみたいで」
その言葉に少しだけ頬が緩む。素行は宜しくないが、彼のこういう所に、私は弱い。自動販売機にお金を入れて好きなもの選びな、と促すと切原君は素直に喜んだ
「夜更かしし過ぎて真田に怒られないようにね」
「え……もう行っちゃうんすか」
部屋の方向へと踵を返すと切原君が私のジャージを摘んで食い止める。顔だけ振り返ると寂しそうな瞳と目が合った
「……切原君は私と居て眠れるの?」
少し揺らぎそうになる心に鞭を打ち、切原君を突き放す。可哀想だが真田の鉄拳制裁を回避して貰うためだ。
切原君は私の裾から手を離すこともなく、キョトンとした顔で首を傾げた
「え、寝れるわけないじゃないすか」
「そういうこと。寝なさい」
しまった、そういう顔を次に見た。
「う、嘘っす!!寝れます!A先輩いないと寝れないっす〜!」
行かないでと私の背中に抱きつく切原君。抱きつかれているより羽交い締めの方が正しい気もするが……
そこまで泣きつかれては私とて放っておけない。何せ一番可愛がっている後輩、その後輩が眠れないと嘆いているのを見捨てることなどできないのだ
「なら……私の部屋、おいで」
「へ」
生憎私だけ一人部屋だ。誰かが増えても困る人はいない。布団も余っていたし問題は無いだろう
「明日のためにも切原君には早く寝てもらわないと困るの」
部員を寝かし付けることもマネージャーの務め。切原君の頭をわしゃわしゃと撫でればデビル化でもしてしまうんじゃないかと思うくらいに、紅く染まった切原君が出来上がった
「……っドキドキして寝れないっす!!」
「素直かよ」
赤也が可愛い
「さて、今朝お前がAの部屋から出てきたことについて、お前の言い分を聞かせてもらおう」
「A先輩優しくて美人で大好きっす」
「気持ちは分かるがそんなことは聞いてない」
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光華(プロフ) - 逆からのやつ感動です!!柳君だからこそできることかな?神ですね! (2021年3月11日 21時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Ö(プロフ) - 逆から読むのは凄すぎました!!! (2020年1月27日 23時) (レス) id: 0d992502c1 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 逆から読むのがわからないです…。理解力なくてすみません!!気になるので誰か教えてください! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2a82e997d1 (このIDを非表示/違反報告)
佐和(プロフ) - はじめまして。ろちこさんの作品にはまってます。がっくんのプロポーズ、笑いました。からあげwww逆ハ話も好きですが、誰か個人落ちの話をもっと読んでみたいです。更新頑張ってくださいm(._.)m (2019年8月18日 0時) (レス) id: 892b8d0726 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - ゼクシィじゃねーのが面白すぎたので日常会話で積極的に使っていこうと思います(^ω^) (2019年7月10日 19時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年4月17日 2時