白石と大事そうな話：★ ページ24
遅刻遅刻、なんてベタな急ぎ方はしてないけれど、信号機の気分によっては私の遅刻が決定してしまうぐらいの時間帯、私は通学路をダッシュしていた
昨日夜更かしなんてしなければよかった。そんな後悔をしていれば私の目の前でドリフト停車する自転車。乗っているのは白石君。
「急ぎのようやな、乗ってくかい？」
親指で自分の後ろを指す姿がまるで映画のワンシーンのようで、私は思わず吹き出した
「プク……頼む……ふふ」
「わろたらアカンやろ」
呆れる白石君の後ろに跨って、彼の腰に掴まる
「じゃあ運転手さん、四天宝寺中学校までお願いします」
「任しとき、ウチのタクシーはメーター詐欺せえへんで」
ノリ良く動き出す自転車、風が心地よい。
今日の授業のこと、明日のテストのこと、いろいろと話しながらいつもの道を眺めた
「あれ、あの走ってるの謙也くんじゃない？」
「ほんまや、流石スピードスターやな、抜かしたろ」
白石君が立ち漕ぎに変わる。すれ違いざま、2人で謙也くんの肩を叩けば俺も乗せろや、と並走してきたからびっくりだ。足早すぎでしょ
「カバンだけ持ってあげる、教室で渡すね」
「それで妥協したるわ！ほなまたな！」
謙也くんのカバンを預かって白石君と私の間に挟み込む。
「謙也のカバン邪魔やわ、なあ落とさへん？」
「やめたげてよ」
そのまま坂道に入る私達。なかなかに立派な坂なので上りはキツそうだ。白石君の様子を伺えば何やら少し、様子が可笑しかった
「……俺な、Aちゃんに言いたいことあんねん」
「言いたいこと？」
「正確には、伝えたいことやな」
「なあに？」
続きを促して白石君の方を見ても私からじゃ耳までしか見えない
「ほんまな、こんなつもりと違かってん」
「白石君、よく分からないんだけど」
坂道を登り終えても尚、白石君は本題を言い出さずに居た。本当に何の話だろ。白石君が下り坂の直前で足を止める
「Aちゃんは俺のこと、好きか？」
「え、うん。良い友達だと思ってるよ」
「そか……なら大丈夫やな」
「だから、言いたいことって？」
白石君が足を離すと一気に坂道を下っていく自転車。
白石君が優しそうな声で、私に語りかけた
「この自転車な、ブレーキ壊れててん」
は……？
自転車が、加速した。
「は！？キャーー！止めてー！」
「ハッハー、止まらんで」
「馬鹿ーー！」
白石と大事そうな話
10年後、この人と結婚するから驚きだ
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くろかは(プロフ) - 「大事そうな話」が特に好きです！いや全部面白いんですけどね！！(*ﾟ∀ﾟ*) (2019年3月9日 11時) (
レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - びょるさん» 繰り返し失礼致します、続編に載せる予定だった四天宝寺プロポーズネタを急遽こちらで載せることになりましたので、ご連絡失礼致します！リクエスト本当にありがとうございました！ (2018年4月17日 6時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - ふゆさんはじめまして！全てのお話に目を通して頂きありがとうございます！！お褒めの言葉まで！白石君程に融通の利くキャラはいません！書きやすさに重宝させて頂いてます笑。本当にありがとうございます、嬉しすぎます。これからも何卒、宜しくお願い致します！ (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 信玄さん» 信玄さんはじめまして！コメントありがとうございます！私もめっちゃ嬉しいです！続編でも何卒宜しくお願い致します！ (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 涼音さん» 涼音さんありがとうございます(><)続編でも何卒宜しくお願い致します！会員登録までっっ！本当にありがとうございます！仲良くしてくださいっ！ (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろちこ | 作成日時：2018年3月6日 12時
