【d!】傾国の天使。 (ページ24)

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２４△ 貞操危機☆ ページ24

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　エーミールは表情を変えた。

　男が目的、そう正直に言い放ったはずの彼女を睨みつけるような表情で彼女の握っていた手を弾いた。

「⋯⋯見え透いた嘘はやめてください、非常に不愉快です」
　先程とは打って変わったエーミールの表情と声に、アントネラは背中からのぼるゾクゾクとした興奮を感じた。

　ああ、皆さんご存知の通りその程度で折れるほど簡単な女なのではないのだ。
　アントネラは立ち上がりゆるりとエーミールに擦り寄った。そうそれはまるでしなやかな猫のように、獲物を見つけた蛇のように。流れるような動作でエーミールの首に腕を回し、両足の間に自身の脚を入れた。

　驚いたのか仰け反るエーミール、その耳元で彼女はそっと囁く。

「困りましたわ、嘘じゃないのに⋯⋯」
「だ、だってそんなおかしなことっあるわけ」

　至近距離のアントネラにエーミールはただただ顔を熟した林檎のように赤く火照らせる。そしてそれをみたアントネラはにこりと機械的に笑うと、エーミールの服に手をかけた。
「この世界には色んな本があるように色んな人間いますから、そんなおかしな人間が目の前にいてもなーんにも不思議じゃないですよ」
　もう一度言おう。驚くことにこの女、エーミールの服に手をかけたのだ。

「ちょ、まっ、なんで脱がせっ」
「エーミールさんの恥じらう顔を見てムラムラしました」
「はいぃ！！？！！」

　素っ頓狂な声が出てしまうエーミール、舌舐めずりをして未だに手を止めることないアントネラ。

　次回！彼の貞操は一体どうなってしまうのか！？負けるなエーミール！やったれアントネラ───☆

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