緋炎と桜花 #22【煉獄杏寿郎】【鬼滅の刃】

#321 新婚初夜と新婚旅行 ページ9

「それで、披露宴の後だが」

改めて耀哉がふたりに続ける。

「「はい」」

煉獄と都希が声を揃えて答えた。

「ふたりには近場で悪いが、
この産屋敷家から馬車で十キロくらいの
ところにある温泉旅館に行って
泊まってきてくれ。
私からの贈り物だ」

「「ええ！？」」

煉獄と都希がまた声を揃えて叫んだ。

祝言の行われた夜、
すなわち新婚初夜。
その夜を耀哉はふたりに
温泉旅館のプレゼントをしたのだ。

「しかし、お館様、それは余りにも
もったいない…！」

煉獄は断ろうとしたが、

「キャー、温泉ー♡
私、温泉大好きー♡」

都希が嬉しい悲鳴を上げたので
黙っていた。
断ったら多分都希が不満の声を上げるだろう。

「それから新婚旅行はどこか
行きたいところはあるか？
無限列車では、ろくな思い出ないだろうから」

「そうですね、俺は両親が行ったという、
京都がいいかなと都希と相談するつもり
でした」

煉獄は考えていたことを
耀哉に話した。

「京都！大賛成ですー♡
やだー、修学旅行以来かもー♡
杏寿郎さん、連れて行ってくれるんですか？」

都希がまた黄色い声を出した。

「あ、ああ、そのつもりだったが…」

煉獄はその声を聞いて面食らってしまった。

「もう下弦の鬼はいないから
安心して行くがいい。
では、話はここまでだ。
ふたりとも下がっていいよ」

「はい、ありがとうございます！」
「ありがとうございます！」

ふたりはお辞儀をすると、
耀哉の前から退出した。

襖を閉めて、
れんげとつゆに先導されて
玄関に向かって歩いている途中で、

「はーっ……」

と都希がため息を吐いた。

「どうしたんだ、都希？」

「杏寿郎さん、私……」

都希の息が上がっていた。
そして額に汗が浮かんでいるのを
煉獄は気づいた。

♪───Ｏ(≧∇≦)Ｏ────♪

煉獄さんと都希ちゃんは
新婚旅行にも行けるらしい。
お館様、太っ腹！！

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