緋炎と桜花 #21【煉獄杏寿郎】【鬼滅の刃】

#306 音消しの式神 ページ9

すると、光雄と慎寿郎を中心として、
三メートルの四方の透明な立方体が
現れた。

「これは…」

「音消しの結界です。
本来は夜泣きする赤ちゃんや幼な子に
悩むお母さんたちのために開発しましたが、
人に聞かれたくない話などの時にも
使える便利な式神です」

「この結界の外には私たちの声は
聞こえないのか？」

「そうです。物分かりがよくて助かります。
僕は貴方の御子息の杏寿郎さんと
関わることがありましたので、
失礼ですが、慎寿郎さん、
貴方のことを陰陽師の情報網で
調べさせて頂きました」

「私のこと？」

「はい。それでですね、
貴方、とんでもない毒親ですね！
十年余りも実の息子である杏寿郎さんと
千寿郎くんに暴言は吐くは、
罵詈雑言を浴びせるは、嫌味を言うは…
それはそれは酷いことをしたんですよ！！」

「それは…」

慎寿郎はたじろぐが反論は出来ない。

「それを十年余りも続けた貴方は
人の心が無いんですか？
人の皮を被った鬼ですか？
いえ、鬼ならまだましです。
貴方が鬼なら杏寿郎さんは斬って
縁を切ることが出来たからです！」

「……………」

「いいですか、これは虐待ですよ！
虐待とは体にだけ与えられるものでは
ないんですよ。心にだって傷は残ります。
弟の千寿郎くんは兄の杏寿郎さんが
守っていたからまだいいです」

「………………」

「でも兄の杏寿郎さんは誰も守ってくれない。
貴方の罵詈雑言に心は傷ついて血を流して
いるのに弟さんを守らなければならない」

光雄は捲し立てる。

「同僚の宇髄さんが貴方を捨てて弟と
家を出ろと言われてたそうですが、
そんな毒親な貴方でも、捨てることは
杏寿郎さんには出来なかったんです。
これがいかに苦渋の決断か
わかりますか？」
　
♪───Ｏ(≧∇≦)Ｏ────♪

光雄さんは慎寿郎さんに
説教します。

説教は次回に続くので、
急遽2話同時公開にします。
よろしくお願いします。

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