3年A組人質クラス3 (ページ19)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:32,946 hit

人質１１７名ページ19

定位置になりかけているロフトの上で寝ていると香帆に起こされた

『ああ。思い出した』

宇佐美｢何を？｣

『私が殺した』宇佐美｢は？｣

『私が悪いんだああああああごめんなさい。
ごめん澪奈』

柊｢米山落ち着いたらモニターの前に座って授業を受けろ｣

私が悪かったの

…澪奈が死んだのは私のせい

先生に言われた通りモニターに向かい授業を見る

画面をつけると先生は甲斐のバタフライナイフを取り出して自分の甲に刺した

【ナイフを刺せば、血が出る。痛みも伴う。場合によっては命を奪える
当たり前のことだ。でも今の社会はこんな当たり前のことに気がつく暇もないくらいに忙しく回り続けてる
相手に何をしたら傷つくのか。
なにをされたら痛むのか。
お前達にはそれに気づかない感情が麻痺した大人にはなって欲しくなかった。
想像力を働かせて、自分の言葉や行動に責任を持つ
決断をする前に踏みとどまって、これが本当に正しいのかを問いただす
そんな誰もがわかっているのに出来ていない考えることの大切さをみんなには伝えたかった

それが、俺の3つ目の目的だ

自分の余命を告げられるまでは俺もこんな事件を起こすことなんて考えたこと無かったよ
でも、景山が気づかせてくれたんだな
おれはまだ、何もしてない。

教師を名乗りながらも、まだ何も教えてないって
みんなには怖い思いをさせてしまいました本当に申し訳なかったとおもっている

でも、この十日間で見違えるほど変わってくれた

それが何より。何より嬉しかった

俺を教師にしてくれてありがとう

明日の昼みんなを解放する。
俺の授業はこれで終わりだ
今までお疲れ様】

隣の部屋から聞こえる一颯ｸﾝの言葉に違和感を覚え、モニターの画面を美術室に変える

茅野｢どうして人質を連れて屋上へ行くんですか？自分を悪者に見せるためですか？世の中に先生が今回の犯人だって思わせるためですか？｣

｢私は、先生を信じてきました。
今でも信じてます
でももう限界です。先生がこれ以上悪者にされるのは納得できません｣

｢先生に最後まで見届けるように言われて、今日まで先生の授業を受けてきて、揺らいでます
ずっと蓋をしてきたものが、真実なのか偽りなのか
だから苦しいです
先生が自分を犠牲にして、全てを押さえ込もうとすればするほど苦しいです｣

心臓がギューッと苦しくなった