堕鬼の力 ページ1
鬼の力は凄まじい。そんなことは鬼狩りなら嫌と言うほど知っている。彼等鬼は、文字通り人喰い鬼だ。生きたままの人間を引き裂いて血肉をむさぼり喰らう。更には、凄まじい生命力と再生能力を有し、上弦の鬼ともなれば、例え手足を斬り飛ばされようが、ものの数日で、上位種ともなれば、数日処か斬ったその場で生え替わる。頭を潰そうが、心の臓を剣で貫こうが、躰ごと真っ二つにしようが死なないのだ。彼等を葬るには、太陽の陽光を浴びせるか、弱点である首を日輪刀で一撃で斬り飛ばす。それ以外には無いのだ。
炭治郎は、今まさにその上弦の鬼と相対して戦っている。満身創痍でだ。だが、引くという選択肢は無い。
炭治郎(体温を…、もっと体温を上げろ!)
しかし、
ギィンッ!弾かれ、慌てて体勢を立て直す。震えと疲労を訴えてくる躰をいなしながら、刀を構え直す。
堕鬼「しぶといわね思ったよりも。面白いわ。せいぜいいたぶり尽くしてから殺してあげましょう。」
義丸「あの糞アマ…!完全に遊んでやがる!」
鬼蜘蛛丸「炭治郎…、肩で息をしてる、かなり無茶をしているな…、負けるなよ!」
炭治郎(戦えてる。水の呼吸ではこうはいかなかった。ヒノカミ神楽なら、上弦の鬼に通用するんだ。だが、「通用」するだけじゃ意味が無いんだ!勝つんだ。俺の今持てる力全てを使って必ず勝つ!命を、護るべき人達を守り抜く為に!)
後ろに倒れたまま意識を失っている斬られた帯から解放された鯉夏と、いつの間にか下に降りてきて、自分達の戦いを見据えている鬼蜘蛛丸と義丸に目を向ける。彼等を死なせるわけにはいかないのだ。
家族、躰が鬼と化した妹、鬼達との戦いで引き離されたり、散っていった命。煉獄の家族達も、彼が死んだと聞かされて哀しそうにしていたのを覚えている。確かに相手が化け物とは言え、刀を手に命の奪い合いをしているのだ。命を失う悲劇は当たり前だろう。だが、諦めるわけにはいかない。自らの意思でこの道に踏み込む決意を固め、鱗滝の指南を受けると決めたあの日から誓ったのだ。自分に護れる人達は、何があっても守り抜くと!
炭治郎「堕鬼、貴様を倒す!二度と理不尽に貴様達に奪わせない。もう二度と、誰も俺と、いや、「俺達」と同じ悲しい思いをさせないっ!」
鬼殺隊の関係者達の顔を想い出す。彼等にも失った哀しみはある。その人達の思いを胸に、炭治郎は駆け出す。炎の呼吸を上げながら。
堕姫「威勢だけは立派ね。でもね坊や、覚えておきなさい。」
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無一郎推しの暇人(プロフ) - この前はコメントありがとうございます(*´ω`*)この後の展開が楽しみです!更新頑張ってください!!! (2020年8月15日 8時) (レス) id: fb256c702e (このIDを非表示/違反報告)
あやみ - 知らなかったです(汗)もう兄の鬼怖い。派手の神にもそんな過去が。・゜゜(ノД`)ホロリ (2020年7月19日 7時) (携帯から) (レス) id: b20f29b230 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - あやみさん» 済みません。私イメージの義丸はこんな感じなので、かっこいい彼も勿論好きですが。因みに、遊郭編の鬼滅の刃はご存じですか?このあととんでもない展開になります。 (2020年7月16日 15時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
あやみ - シリアスに義丸さん色ボケすぎて情けない(汗)?もう、これだから色ボケな男の子はすぐに下ネタ?いや義丸さんが得さら色ボケなのか(汗)? (2020年7月14日 22時) (携帯から) (レス) id: b20f29b230 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みこち x他1人 | 作成日時:2020年7月1日 6時