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別に珍しいことじゃない。
前にも何度かこんなことはあった。
しょうがないの、だって拓弥くんは誰が見てもカッコイイから。
お手洗いへ行こうと廊下へ出たら、見たくもない“それ”を視界に入れてしまって。
拓弥くんと目が合った気がするけど、逃げるようにトイレへ駆け込んだ。
最近、拓弥くんの近くにはずっと同じ女の子がいる。
上履きの色が違うから、恐らく下級生だろう。1年生のその子。……カワイイ子、だったな。
前に小笠原くんが言ってた「来るもの拒まず、去るもの追わずって感じ」なんて台詞が、ふと脳裏をよぎった。
なるほど。来るもの拒まず、ゆえのアレなのか。
鏡で前髪をチェックして、偶然居合わせた隣のクラスの知り合いと軽い雑談をして。ハンカチで手を拭きながら、トイレを出たすぐのところ。
「っ……びっくりした……」
「ごめん。ちょっと」
腕を組んで壁に寄りかかっていたのは、拓弥くんで。
なに？ 平静を装ってそう尋ねると、下唇を噛んだ彼は後頭部を掻きながら、その……ってゆっくりと口を開いた。
「……マネージャー。1年なんだけど」
「あ……そうなんだ、」
「うん。それだけ、だから」
“それだけ”
その言葉にどんな意味が込められているのかは、彼の顔を見ていなかった私には分からなかった。
放課後。
ひとりバス停へ向かおうとすると、嫌でも見てしまうグラウンドの光景。
タイミング悪く、それはあの女の子が拓弥くんにスポーツドリンクを差し出しているシーンで。
「マネージャー……」
ぎゅう、って。胸が苦しい。
我慢なんて、慣れてるはずなのに。得意なはずなのに。
“まあ困ったことあったら、何でも相談してよ。おれ、アイツのこと一番知ってるから。”
『相談したいことがあります』
送信したメッセージには、驚いたことにすぐに既読がついた。
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ちよこ(プロフ) - 草村 みゆさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、書いていてよかったなあと思えます(; ;) 嬉しいです(; ;) 気まぐれな更新が続くかと思われますが、今後ともお付き合いくださると嬉しいです！ (2017年10月9日 23時) (
レス) id: 96b79ece7b (このIDを非表示/違反報告)
草村 みゆ(プロフ) - この話すごく好きです！ 続きも楽しみにしてます＼(^o^)／ (2017年10月1日 17時) (レス) id: d19d8cf885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよこ | 作成日時：2017年8月16日 19時
