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「やっぱりお腹空いてきた？」
「……うん」
「ふふ、はい」
「え……でも」
「いいよ」
それくらいの量なら食べれる？なんて尋ねながら、綺麗に食べ進められたそれを差し出した。
そして彼が袋から取り出したのは、新品の割り箸。
こうなることを分かっていたのだろうか、だからわざわざ2膳もらっておいてくれたということなのか。
申し訳なく思いつつ、ありがたくも思って。
ひと口食べただけでほっとする。ああ、わたしやっぱりお腹すいてたんだ。
美味しい美味しいとそれを食べ進める私を、拓弥くんは目を細めて見つめていた。
「飲み物、買ってくる」
「うん」
「ちゃんとここに居てね」
「わかってるよ」
ポン、と頭に手を乗せようとしたのだろう。
けど、私の髪がアップにされていたことを思い出したのか、それを崩してはいけないと感じたのか、上げかけていた手が止まって。
宙をさまよった挙句、ぺち、と頬に軽く触れたその手。
思わず笑うと、拓弥くんも同じように笑って、自動販売機の方へ歩いていった。
焼きそばを食べ終わっても、まだ拓弥くんは戻ってこない。
退屈で足をブラブラさせていると、目の前で誰かが足を止めたのを感じた。
「あれ……拓弥の彼女ちゃん？」
「あ……ええと、小笠原くん……？」
「そうそう」
ふにゃっと人懐っこい笑顔を見せた彼は、たしか拓弥くんと仲が良い小笠原くんだ。
黒かったはずの髪が、綺麗な金色に染まっていたことには驚いたけど。
1人でいる私を見て首を傾げた彼は、軽くまわりを見渡すような仕草を見せた。
「……拓弥は？」
「飲み物買いに行ってるよ」
「ああ、なるほどね」
ちょっと俺も休憩したい。そう言って、さっきまで拓弥くんが座っていたそこに小笠原くんは腰を下ろした。
「……あ、」
「ん？ あー……」
見なきゃ良かった。
自販機の方に目をやったら、偶然視界に入ってしまったその構図。
拓弥くんの横には、ピッタリと寄り添う形で綺麗なお姉さんがいて。やたらと近い距離で何かを話している。
「逆ナン、かな」
「かもね」
「え……ナンパってほんとにあるんだ」
「ふふ、なにそれ。漫画の中だけだと思ってたの？」
「うん。小笠原くんもあるの？」
「えー、秘密？」
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ちよこ(プロフ) - 草村 みゆさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、書いていてよかったなあと思えます(; ;) 嬉しいです(; ;) 気まぐれな更新が続くかと思われますが、今後ともお付き合いくださると嬉しいです！ (2017年10月9日 23時) (
レス) id: 96b79ece7b (このIDを非表示/違反報告)
草村 みゆ(プロフ) - この話すごく好きです！ 続きも楽しみにしてます＼(^o^)／ (2017年10月1日 17時) (レス) id: d19d8cf885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよこ | 作成日時：2017年8月16日 19時
