儚い恋 (ページ35)

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予想もしてなかった言葉に今まで我慢してた何かがプチンと音を立てて切れる気がした。
その瞬間から涙が止まらなかった。

『夢はどうしたの？もう叶ったの？』

一番聞きたかったこと。それを止まらない涙を一生懸命拭って北斗の目を見て聞いた。

「夢？そんな昔の話忘れた。あんな馬鹿みたいにでかい夢最初から叶えられるはずなかったんだよ。Aだって心のなかではそう笑ってたんだろ？」

『そんなことないよ！』

「それに、夢を追ってても彼女いるやつなんていっぱいいるから。」

『そんな中途半端な気持ちで夢がどうとか語ってほしくない。』

「お前に俺の気持ちわかるわけ？俺がどんな気持ちでいままで努力してきたか。」

『わかる訳ないじゃん！でも努力してる北斗は昔から知ってるよ？』

「昔の話だろ？今とは訳が違うんだよ。後輩がデビューして、一緒にグループ組んでたやつらもデビューして、最初は焦ってたよ。でももう無理だって気づいたんだよ。無駄な努力だって気づいたんだよ」

『それでも辞めないのは諦めきれてないからでしょ？好きだからやめないんじゃないの？』

「さっきから聞いてたらなに？お前は俺のなんなの？Aにそんなこと言われる筋合いないから」

『図星なんでしょ？だからそうやって逃げるんだよ。そんなにいやならジャニーズなんてやめればいいじゃん』

「は？まじなんなの？穂乃花だったらそんなこと絶対言わないわ。こんな俺でも応援してくれる」

そんなことを聞きたかったわけじゃない。
怒りが抑えられない。
でもどこかすごく悔しくて悲しくて。怒る気にならない。

「あきれてんだろ？こんなことならあの時俺と付き合っとけば良かったって思ってる？」

ﾊﾟﾁﾝｯ

「いった。。」

無意識のうちに北斗の頬を思いっきり叩いていた。

なぜかわからないけど悔しい。
悔しくて涙が止まらない。
でも、、

『ごめん。私が悪いのに』

私が北斗の重荷になってたんだ。
私が北斗にプレッシャー与えてたんだ。