・ ページ34
「桐谷くーん！お茶かジュースどっちがいい？」
「えと…お茶、で」
はーい、と元気な返事をした三枝先輩は、奥のキッチンへと消えていった。
ガチャガチャとテレビ台を探っているのは不破先輩で、何やらスマホをいじっているのは黛先輩。
一体何が起きているんだ…！
あの後、拉致された先は、なぜか黛先輩の家で、何も説明されないままソファに座らせられている。
当然、何も理解ができていない俺からすると謎でしかなく、さっきから緊張で変な汗が止まらない。
…さっきは許したけど、実はすごく怒ってたとか？
そう思うと、ただ机にコップを置いただけの三枝先輩にもびくりと体が反応してしまう。
それに驚いたような顔をした三枝先輩は、ゆっくり、俺の横に腰掛けた。
「どしたの？何かあった？」
不思議そうに顔を覗き込んでくる。少し黙っていると、もしかしてまゆゆ！？いや、ふわっちなの！？と急に騒ぎ出したので、とりあえず首を振っておく。
名前を呼んだせいで振り向いた2人も、何があったのか理解できてなさそうで、不思議そうにしている。
いや、俺もこの状況が何なのか不思議だよ…！？
「えと……俺、何すれば…」
恐る恐るそう尋ねると、3人はきょとんとして顔を合わせると、混乱したように笑い出した。
「え…？言ってないの？」
「いや、2人が言ってるのかと」
「…誰も言ってないっぽいね」
そんなことある！？と3人はひときしり笑ったあと、すぐに俺に謝って来た。
「普通に親睦を深めようと思って…」
「一緒に遊べたらいいねって話してて」
しゅんとして謝る2人になんだか罪悪感を感じる。別に悪いことをしようとしたわけでは無いし、なんならめちゃくちゃいい人。
「い、いえ大丈夫ですよ！俺も先輩たちと話したかったですし…」
ちょっと怖かったけど、って本音はさすがに言わなかった。
俺の言葉を聞いた不破先輩は、良かった〜！とすぐにまたもとのにこやかな顔に戻った。
それに、少しだけ可愛らしさも感じた。先輩だし、失礼だと分かっているけれど、この人が愛されるのは、こういうところなんだろう。きっと。
「桐谷くん、扱いうまいね」
黛先輩にそう言われ、俺は苦笑いで返すしかなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2035人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
gibyaso754(プロフ) - 名前変換できるようにして欲しいです (1月22日 8時) (
レス) @page4 id: 1e4176b142 (このIDを非表示/違反報告)
はーしーですよ。(プロフ) - その後2人が楽しく配信出来たのか気になる所！これからも応援します。 (5月9日 22時) (レス) id: 83bbff44cf (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 33さん» コメントありがとうございます！面白いなんて言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年7月29日 13時) (レス) id: 96896c9c2e (このIDを非表示/違反報告)
33 - めちゃくちゃおもしろかったです!!!!!更新頑張ってください (2022年7月29日 13時) (レス) @page33 id: ce81fe4080 (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 綺羅さん» コメントありがとうございます！やっとですね笑！楽しんで頂ければ幸いです！ (2022年5月25日 22時) (レス) id: 9a72bcc81d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
