Bloody Connection 2【朔間零】

episode.62 ページ16

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家に帰ってもお父さんと一言も言葉を交わさない日が増えた。夜遅くに疲れて帰ってきて、そのままベッドに就寝して、お昼頃に起きてお風呂に入って私の1日が始まる。学校に行く日は明らかに減った。





「はぁ...何してんだろ、ほんと」





「あれ？Aちゃん？久しぶりだね」





スタジオからの帰宅途中に声をかけられたのは、ゆうたさんだった。双子ユニット『2wink』として大々的な人気を誇っているユニットの1人で、お兄さんのひなたさんと一緒に私のお家に夜ご飯を訪れに来ることも多々あったから知り合いなのだ。





「お久しぶりです、ゆうたさん」

「Aちゃん、モデル活動始めたんでしょ。波に乗ってるみたいで羨ましいな」

「そんなことないですよ」





にひひ、と明るく笑った彼は、私の顔を覗くようにして首を傾げた。橙色の男性にしては長い髪が、揺れた。





「あれ？なんか元気ない？何かあったの？」

「えー、何もないですよー！元気ですよ！」





ダブルピースでもしてみたら、ゆうたさんは「そっか」と笑ってくれた。





「あ、そうだ。これから時間あったりする？お茶でもどう？」






＊





「いい所連れて行ってあげる」と言って、ゆうたさんが連れてきてくれたのはオシャレなカフェだった。木材を基調としたインテリアが特徴の綺麗なお店。





「お久しぶりです、燐音先輩」

「急にお茶しませんか、とか来たからびっくりしたっしょ〜。ユタくん、ホントは奢られたいだけだろォ？」

「そんなことないですってば〜」





ゆうたさんが案内してくれた席には赤髪の男性が座っていた。私は初めて会う人だ。えっと、多分『Crazy:B』の…





「あれ、後ろにいる子誰？んー、どっかで見たことあるような」

「朔間先輩の娘さんのAちゃんです」

「あー、零ちゃんのとこの娘ちゃんかァ」





ひらひら手を振っている赤髪の人は納得したように高笑いした。ゆうたさんに促されて、彼の向かい側の椅子に座る。隣にはゆうたさん。





「あ、言い忘れてた。この人は天城燐音先輩。今日はこの人の奢りだから沢山食べても大丈夫だよ！」

「こらこら、ユタくんよォ！すぐ奢られようとするんじゃありません！」





そうだ、天城燐音さんだ。






「まァ、好きなもの食えよ、娘ちゃん☆」






壁に寄りかかりながら座っている燐音さんは「ギャハハ☆」と笑って私にメニューを差し出した。







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