Mar.370 ページ6
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約2年前__春。
今の2年生が入学して少し経った頃。
「…敬人。企画書出しに来た」
「あぁ、貴様は仕事が早くて助かる」
「いえ、」
革命後、ということもあって、ていうか私が五奇人を嵌めるように騙されていた蟠りがまだあって、英智に加担していた敬人とは少しギクシャクしていた。零達には「気にするな」と言われたけど、気にしないでいるなんてこの時の私には出来なかった。
「あー!おまえが英智様がよく話しているプロデュース科のテストケース1号だな!」
「は?」
プライド高くそう喧嘩を売ってきたのピンク色の頭をした__私より背の低い男の子。「は?」と機嫌悪く睨み返せば、「うにっ!?」と飛び跳ねた。
「お、おまえ!高貴なボクに対して失礼だぞ!ぶをわきまえろっ」
「はぁ?」
「ふふん。貧相な顔をしたおまえをボクの『奴_隷2号』にしてやってもいいぞ!もちろん、1号は弓弦だよ」
「ふふ、坊っちゃま、ピーピー騒がないでくださいまし」
にっこりと笑みを浮かべた青髪の_弓弦と呼ばれた男は主でありそうなこの男の子に暴言めいたことを吐いた。…おまえらどういう関係だよ。
「とりあえずっ、ボクの『奴_隷』にしてやるんだから感謝するんだぞっ」
「おまえさぁ、さっき、ぶをわきまえろって自分で言ったよなぁ?」
低い声でそう睨みつけた私は、そう機嫌が悪かったのだ。虫の居所が悪かったんだ。
「おまえもぶをわきまえろよ。ここは夢ノ咲学院。私はおまえの先輩。先輩に対する口の利き方もなってないやつは小学生からやり直してきたら?」
「ぴゃっ!?ううぅ、弓弦〜っ」
「今のは、坊っちゃまが悪いと思いますよ」
*
「ってことがあったじゃん!忘れてたの!?」
「…うんうん、思い出した。思い出した。今でも、桃李が100%悪いと思うわ」
「ま、まあ、あの時はボクが悪かったかもしれないけど」
むぅ〜と口を尖らせた桃李を見て、司くんは「生意気な口を聞くから怒られるのですよ。さすがはAさんですね。」と呆れた。
「さすがとは。その後、私の愛すべくあんずちゃんにも似たようなあだ名をつけたと聞いてぶち切れそうだった」
「怖い怖い!今はそんな風に呼んでないから〜!」
必死になっている桃李を見て、ぷっと吹き出した。
「…ふふ、冗談だって!知ってるよ〜。頑張ってね!新生徒会長!」
「うん!!」
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同担拒否///////////////♡♡♡♡♡ - あ♡///////もう♡すきすぎる♡私だけを愛して///////////♡ (2022年9月2日 16時) (レス) @page8 id: 514018f06b (このIDを非表示/違反報告)
玲咲(プロフ) - はゆちゃんさん» コメントありがとうございます!わあ!楽しんで読んでいただけたみたいで良かったです!!とても嬉しいです!!もしよろしければ他作品もぜひよろしくお願いします! (2022年6月10日 23時) (レス) id: 27f192e968 (このIDを非表示/違反報告)
はゆちゃん(プロフ) - 完結おめでとうござます!長編でこんなにも感動したのは初めてです!楽しみにしながら追い続けていた作品なので続編のたびに喜んでいました。読み進めていくたびに一緒に生きてるような感覚になっていたので、夢主が泣くと私も泣いたりと感情豊かに作品を楽しめました! (2022年6月10日 22時) (レス) @page33 id: 3b6ed38452 (このIDを非表示/違反報告)
玲咲(プロフ) - あんスタのお豆さん» たくさんコメント下さってありがとうございました!本当に励みになりました!初期から読んでくださってるんですか…!めっちゃ嬉しいです!長い間本当にありがとうございました! (2022年4月2日 7時) (レス) id: 27f192e968 (このIDを非表示/違反報告)
あんスタのお豆 - 完結おめでとうございます! もうこの作品と出会って1年たったのか、、この作品はほんとに毎日の楽しみでした!夢主の性格もキャラとの関係性も大大好きでした!また会えることを楽しみにしてます!本当にお疲れ様でした! (2022年4月2日 1時) (レス) @page33 id: c940836bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玲咲 | 作成日時:2022年3月1日 20時