【あんスタ】私達の星奏館12【月永レオ】

Mar.376 ページ12

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｢ごめんっ！3月14日、海外で仕事入っちゃった…！｣






と突然電話がかかってきたのは昨晩のことである。3月14日__つまりホワイトデーの日にデートの約束をしていたのだが、それが昨日ドタキャンされたということである。…まあ、仕事の方が10:0で優先して欲しいし、仕方ないか…






ホワイトデーに期待していなかった、というと嘘になる。ぶっちゃけ、めっちゃ期待してた！私が欲しいって言ってたあれをくれるのかな？とか私が行きたいって言ってたあそこに連れていってくれるのかな？とか！色々、想像してたし…！？







｢なんで、今日一緒にいるのが泉なのぉ〜！！｣

｢なぁに？俺じゃ不満？｣

｢不満｣






ズズっーとりんごジュースを飲み干した。そう、目の前にいるのは瀬名泉である。昨日、レオから｢おれの代わりにセナと遊んできてっ｣と言われたのだ。いや、なんでだよ。







そして、泉から、レオからのバレンタインのお返し__束になった大量の楽譜と泉からのお返し__高そうな化粧水を貰った。いや、なんでだよ(2回目)








｢なに？泉は暇なの？今日ホワイトデーだけど？｣

｢はあ？別に暇じゃないからぁ。あんたのために日本(こっち)まで来てあげてるんでしょぉ。ほんっと、感謝してよねぇ｣







｢本当に失礼なやつ｣とイライラしながら水を飲んだ泉は、チラッと腕時計を見た。







｢うん、そろそろだねぇ。ほら、次の場所行くよ｣

｢次の場所？え。どこ｣

｢映画祭にノミネートされたから、映画館で再公開されてるんだよねぇ…、『桃源郷偶像拳』♪｣

｢…。真くん目当てかよ｣







なんで、ホワイトデーに彼氏でもない人と一緒にお茶して映画観なきゃいけないの！？いや、『桃源郷偶像拳』は面白かったし、もう1回観たいなとは思ってたけど！










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